心のSOSサポートネット お知らせ

  心のSOSサポートネット 活動10年にあたり思ったこと

2020年07月31日



『主に和歌山県で自死予防啓発活動を行っています。心のシグナルに気付ける人や地域を育て、自死予防や心の健康の増進に貢献します。』
という言葉を掲げ「NPO法人心のSOSサポートネット」が活動して10年
 
自死予防活動って限定しているわけではないのですが、もうちょっと多くの人に自分事としてアプローチできる言葉はないのかとも思う。
 
先日人気俳優の方がお亡くなりになって、
「どうして??」と理解に苦しんだ方も多いことでしょう。
 
傍目にどんなに順調に見えても、その人にしかわからない苦しみがあるし、逃げ場所がなくなってしまう心理状態に陥ることもあります。
 
どんな人でもその人なりの苦労や苦しみは抱えていますよね。自分の苦労や苦しみを前向きのエネルギーに変えられる人もいれば、負のエネルギーとして蓄積し心と体を蝕んでしまう人もいます。本人の努力で避けられるものもあれば、避けがたいものもあります。
 
恵まれた環境で育った人には理解しがたいような状況に苦しんで生きている人もいます。
 
誰もが知っているマザーテレサや、釜ヶ崎でご活躍の本田神父、白浜でご活躍の藤藪牧師のような崇高な人々は、そんな人々の苦しみにとことん寄り添い、その人が自立できるよう後押しもされています。一般の人ではなかなかできない活動です。
 
そういう人たちを目指す人もでてきて欲しいと思う反面、一般の方は「こういうことで苦しんでいる人もいるんだね。」と知識として持つだけで充分だとも思います。
 
心が病んでいる人は、人と少し違った表現になったり、コミュニケーションがとりずらかったり、自分が期待する反応が返ってこない場合もあるのです。そうしたことを、知ることで、小さな気づかいができるかもしれないし、違いを受け入れてすこし声をかけられるかもしれません。そういう人が増えること、その積み重ねが多様性を許容する社会を作ってゆくと思います。
 
活動10年でいろいろなことを学び、経験し、自分の許容能力も見てきました。いずれ次の世代にバトンタッチできるように、活動環境を整えてゆきたいと考えています。
具体的には、講座開催のデジタル化と講座受講者のコミュニティづくりです。

 

それぞれの熱い思いで受講してくれた方々のコミュニティを作って活性化することで
人に気遣いしてくれる方々のモチベーションを継続できると思っています。
崇高な人になる必要はありません。日常生活の中でできる少しの気配りでいいのです。あまり入り込みすぎると、この人は安心なのか?と試されて自我をむき出しにしてくることもあります。それは甘えなのですが、そこまで許容して自分が振り回される必要もないのです。自分の家庭を後回しにして他人のために走り回る方もいます。それは否定はしませんが、まずは自分の守備範囲をきっちり守ること。お勧めします。

 

デジタル化については、NPO運営はいろいろな事務作業がついて回ります。人の為になりたいと思ってしている活動ですが、事務処理のオンパレードだと何のためにやっているのかだんだんわからなくなってきます。事務処理を簡素化し、デジタル化で効率的にできる事はしてゆく必要があります。

 

その仕事は、本当に必要なのですか?そのイベントは本当に必要なのですか?そんなやり取りもスタッフ会議では行います。やりたいとできるは違います。人の為になると思って活動してスタッフがパンクしていては本末転倒です。やれることをやり、能力的にできないことはできる方法を模索する。デジタル化による業務効率化でできる事が増えることを期待しています。

 

我こそはと思わん方は一緒にやりましょう。オンラインの世の中です。遠くの方でも歓迎です。

 

7月19日に開催した心の安全パトロール隊員養成講座ベーシックの活動報告リンクを添付します。熱い想いが詰まっています。どうぞご覧ください。

 

         2020年7月31日 藤浪明覚(心のSOSサポートネット副理事長)