さて今日は久しぶりにお客ゼロの日。
まあこんな日もあるわ。
藤浪さんとゆっくりおしゃべりして、
院主さんともご挨拶。
めっきりお耳が不自由になられたらしい院主さんに
大きな声でお話をする。
こんな大きい声でしゃべるのも久しぶりだわ。
写真はお元気そうな院主さんです。
藤浪さんが、遠い昔に満州から引き揚げてきた時の、
色んな思い出を聞かせてくれた。
若いころの院主さんが、幼い姉妹を抱えて
苦労の末、無事に日本に帰還した時の話。
床だけしか無い無蓋列車の中央に身を寄せ合って
座ってきたとの事。
景色が目に浮かぶようで、残留孤児にもならずに
連れ帰ってくれた院主さんへの感謝の気持ちが、
藤浪さんの語り口に滲んでいた。
文庫のお客ゼロでも、良いお話を聞けて良かった。
今年の紀北子どもの本連絡会のテーマが、
時代ごとに分けて、いい本を持ち寄ろうとのことで、
とりあえず来月は1950年以前の作品。
あるのかなあと思ったが、どっこい、
まゆーらの本は結構年代物が多かった。
『ふしぎの国のアリス』、『長くつしたのピッピ』
『ハイジ』、『銀河鉄道の夜』など
より取り見取りで、大荷物で借りて帰る。
本を探しているうちにくたびれて、
手に取った本を読んで休憩したら、
これが面白くて、休憩しっぱなしになってしまった。
小澤俊夫編訳の『巨人シュトンペ=ピルト
~北ヨーロッパのはなし』 世界のメルヒェン図書館②だ。
外国の昔話と言うと、ついグリムを思ってしまうが、
ノルウェー、スエーデンなどの北欧諸国のお話が
こんなに豊かで面白かったとは!!
あまりに古い本で(それでも1981年)、表紙に絵も無く、
ネットで調べてもイメージ写真は無し。
実物は文庫にあるので、ぜひ読んでみてください。
これはいいなあ。
さてもう一枚の写真は、階段脇の夏ミカンの木の
花の蜜を吸っている蝶の写真です。
写って無いかもしれないけど、ミツバチも群がっていた。
子どもの声の代わりに、ミツバチの羽音がすごかったよ。
次の文庫の日は、7月6日です。
(芝 直子)