〈6月時間表〉
〈6月時間表〉
前回とはうって変わって、静かな文庫。
ひたすら本を読むりこちゃんと、プラバンのお絵描きに夢中のさやちゃん。
私もさやちゃんと一緒に、プラバンを作ることにした。
職場のトイレの鍵に付ける、キーホルダーのタグが欲しかったのだ。
プレハブの学童保育の建物にはトイレがなく、校庭のトイレに行くので、
戸締りの鍵が必需品。
開けた後、うっかり自分のポケットに入れてしまおうものなら、
閉める時に他の指導員が大探しする羽目になるのだ。
それでポケットに入らないように、でっかいウサギのぬいぐるみを
ぶら下げてあるのだが、ついでにトイレと書いたタグも欲しい!
「よし、トイレの鍵ってわかる絵を書くぞ」と、文庫でそれらしい絵本を探す。
何しろ子どもたちって、トイレだのウンチだのが出てくるお話が大好き。
パッと心当たりの本を集めてくれてビックリ。
ついでに言うと、二人が来た時に座る場所が毎回同じ所…と気がついて、
なぜかしらと、さやちゃんママと話したのだが、答えは明快。
りこちゃんは自分がいつも読む、お話の本棚の前に陣取るし、
さやちゃんは絵本の溢れた場所にまず座るのだった。
まぁ、文庫は狭いから、たいして場所に悩むこともないし。
その自分のテリトリーから、りこちゃんがパッと出してくれたのは、
ウンチが出来る仕組みの科学絵本。
多分タイトルは『うんこのできるまで』、佐藤守著。
一方、わたしと妙ちゃんがウンチの本と聞いてまず連想したのは、
ご存じヴェルナー・ホルツヴァルトの『うんちしたのはだれよ!』だった。
ウンチを頭に乗っけたまま、犯人捜しをするモグラ君の絵は忘れられない。
そしたらさやちゃんは、「絶対へんしんトイレ!」と言って、
あきやきただし作の『へんしんトイレ』を出してくれた。
『へんしんトンネル』のシリーズで、子どもたちにも大人気の絵本だ。
まこちゃんが「まこまこまこ」と言いながらトイレに入ると、
コマになって出てくるとか、色んな物に変身する言葉遊びの絵本。
でもこの絵本に、普通のトイレやウンチの絵があったかなあと言ったら、
さやちゃんがかわいいウンチの絵を見せてくれた。なるほど。
面白いから二つともプラバンにしてしまった。
モグラ君の方はちょっと強烈だから、他の指導員のひんしゅくを買うかも。
インパクトはあるんだけどなぁと、思案中です。
さて、ウンチに明け暮れて文庫はお終い。
ご協力ありがとうね。
次の文庫の日は、7月2日です。
(芝 直子)
なんと今日は文庫が満員!
さやちゃんのクラスメートが二人、それぞれお母さんやきょうだいと一緒に
遊びに来てくれたのだ。
座るところも窮屈でお気の毒なくらい。
私はなるべく邪魔にならないように、隅っこの定位置に引きこもる。
そこはいつも座布団が何枚か積んであって、何だか牢名主のようだ。
もしくは最近はやりの『笑点』か。
みんなでお手本の順番待ちをしながらプラバンをする。
たえちゃんにトースターで焼いてもらい、可愛いのが出来た。
直前に使った名残か、トースターからニンニクっぽい
香ばしいにおいが立ち込めたのはご愛敬。
写真はみんなでプラバンに絵を描いている所と、
その後、ドールハウスで夢中になって遊んでいる所。
お嬢さんばっかりで、なかなかにぎやかだ。
いつもの常連さんたちは、ひたすら本を読んでいる。
雨模様で蒸し暑い文庫にも網戸が入ったし、いい感じだ。
「蒸し蒸ししてきたね。6月4日だけに…」と
柄にもなさそうな駄洒落を言ってくれたのはりこちゃんママ。
そのりこちゃんママが、私に貸してくれたのがこの本。
お知り合いのシンガーソングライター、山田稔明さんの書いた
自伝的小説『猫と五つ目の季節』だ。
うちには現在9匹のネコがいるので貸してくださったもので、
「よくある猫本の一つだけど」との注釈つきだったが、
読み始めたら止まらなくて、その夜のうちに読んでしまった。
三毛猫ポチ(!)との13年間の暮らしを、
悲喜交々の赤裸々なエピソードで綴った本で、
ネコ飼いのあるあるから始まって、別離の悲しみ、新しい出会いで終わる。
生き物が死んで行くのは避けられないことだけれど、慣れることは出来ない。
うちにも、今まで旅立った7匹のネコたちの思い出があることを、
しみじみ思いだしながら読んだ。
病気でだんだん弱り、静かに息を引き取ったネコもいれば、
ベランダの高い手すりから落ちるという、ネコにはあるまじき事故で
私の腕の中で一瞬の死を迎えたネコもいた。
一つ一つ書いてたら紙面が足りなくなってしまうわ。
今いる9匹に手を焼いて振り回されている日々も、大切な日々だと再認識。
貸して下さってありがとう。
次の文庫の日は、6月18日です。
(芝 直子)