珍しく第5土曜日まであって、今日はお客ゼロの日。
ゆっくりと絵本の本棚をながめて一人で楽しんだ。
と言うのも、勤務先の学童保育の教室で、
読み聞かせするのに適当な本を探したいと思っていたから。
もちろんそっちにも県立図書館で団体貸出しを受けた本が一杯あるのだが、
さあ今から読もうか、と思ってもすぐには適当な本を見つけられない。
おまけに本を読み聞かせするのはお昼寝の時とあって、
時間と、聞く態勢と、聞き手の人数と…、厳しい条件の中で読むのは
本選びが成否を分ける気がする。
でも本音を言えば、本を何かの道具に使うのには抵抗がある。
お休み前にママに読んでもらうのは素敵だろうが、
40人も50人もの子どもを、とにもかくにも横にならせて、
「はい、静かにお口と目を閉じて」と言って昼寝させるのは私にとって至難の業。
あっちでもこっちでもワイワイ騒いで、立ち歩いたり喧嘩をしたり、
指導員が手分けして落ち着かせようとしても、モグラたたきのよう。
それをクールダウンさせるのに、読み聞かせ?
多分本職の保育士さんならうまくできるのだろうなあ。
子どもと一緒に本を楽しみたい私には、ストレスだ。
うーん、自分の力不足を棚に上げて、出来ない言い訳してるだけかも。
さてじっくり静かな文庫で絵本を見て、
これならみんなが喜んで聞いてくれるかなあと思った本を18冊借りた。
そのうちの一冊が、ナンシー・タフリの『うちのこ みませんでした?』だ。
文章はほぼ「うちのこ みませんでした?」だけで、
迷子になった子ガモをお母さんが他のきょうだいを連れて探すお話。
派手な本ではないが、チョウチョを追いかけて迷子になった子ガモが、
よく見るとどのページにもチラッと見えている。
この子ガモ、言うことを聞かずに勝手にチョロチョロ動き回って
ママに心配をかけるところは、誰かさんたちのようだ。
つらつら思うに、まゆーら文庫に40年以上も居座ってきたのは、
「本って楽しいよ」、「本の中には、知らない世界や、知らない気持ちがあるんだよ」
「全然違う時代や世界に連れて行ってくれるよ」、「空想するって楽しいよ」と
子どもたちにも伝えたかったからだ。
それがひいてはその子の生きる力になったら、うれしい。
字を覚えるとか、学力が向上するとか、
そんなことがついて来たとしてもオマケだ。
本はあくまでも楽しく読みたい。
おやおや、静かな文庫でずいぶん変なことを考えてしまった。
夏休みの仕事のストレスが溜まっているのだわ。
次の文庫の日は、8月5日です。
(芝 直子)