いきなり衝撃的(?)なタイトルですみません。
『はしるチンチン』は、しりあがり寿作の絵本。
一見、子どもの好きなチンチンやウンチの類いの絵本みたいだけれど、
これは違う。
3歳児のコウキくんが、着替えの途中にフルチンで外に走り出して、
どこまでもどこまでも、海を越えて、外国の知らない地を越えて、
どんどん走って満天の星の中に…。
一度読んだ時は、?マークが頭を飛び交い、
「え、最後はどうしたの? お父さんたちはどうしたの?」と混乱した。
裸で走って面白い…というような単純な絵本ではないらしい。
と言うか、そもそもこれは幼児向きの絵本だったのだろうか。
そこで、久しぶりに文庫に来てくれた6年生の男の子たち3人に、
「これ、読んでみて」と押し売りしてみた。
来てくれたのは中学受験を無事終えたばかりのゆきや君と、
そのお友だちで前にも来てくれた事のあるつばさ君たち。
「…光になるんや」「えー」と彼らも意外そうに読み、
あとからやって来たゆきや君ママは、「哲学やなあ」と断定。
そうかもしれない。
しりあがり寿さんと言えば、朝日新聞の連載漫画の作者だわ。
色んな絵本があるのは分かっていたけれど、
異色の絵本を見つけるのも楽しいと思った。
よし、とりあえず工作を目当てに遊びに来てくれた3人に、
絵本を一冊読んでもらったゾ。
お目当ての工作は、例によってガムテープだけで出来るバッグ。
個性豊かな(?)バッグが出来上がったところで、記念撮影。
彼女へのホワイトデーのプレゼントにしようかとの声も聞こえる。
その後、カードゲームのスポットイットで大盛り上がりをし、
ママも参戦して、ギャーギャー騒いでいたら、
私の同業の男性が3度目の来庫。
「そもそもガムテープのバッグはこの人が初めに教えてくれたの!」と
彼らに紹介し、出来栄えを見てもらい、
「…え、オマエら6年で彼女いてるんか」とやっかみ半分のセリフで爆笑した。
帰り際、司書でもある彼が「片付けますわ」と
『はしるチンチン』を書架の所定の場所に正しく収めてくれたけれど、
「面白いんやでえ」と言ったのに開こうとしなかったのは、
きっとタイトルのせいに違いない。
ところで、お知らせ。
次回の文庫は本当だったら3月2日なのですが、
1日に東京で伊藤忠財団の表彰式があり、受賞者の藤浪さんと、
推薦者の上田大愚氏、荷持ちの私と、3人で上京しますので、
お休みにさせて頂きます。
文庫の表彰式に行くのに、文庫を休むのは矛盾だわ。
もしかすると藤浪さんは帰宅していらっしゃるかもしれませんが。
私は2日には東京のかつら文庫の見学オプションに参加します。
全国の子ども文庫の資料を収集している所らしいので、
もし準備できたら、まゆーらの資料も置いてもらおうかと思います。
そんなわけで、次の文庫の日は、一応3月16日です。
(芝 直子)