本当なら夏休みも残りわずかで、宿題の追い込みの時期というのに、
今年はもうとっくに2学期が始まっていて、子どもたちは汗だくになりながら
マスクをして学校に通っている。
今年は本当に季節の行事もできなくて、
メリハリがないまま、月日が過ぎてしまった気がする。
気がつけばもうすぐ9月だ。
前回持ち込んだ和室のドールハウスも、秋バージョンに衣替えしてみた。
お月見団子に、ススキ。 座卓の上には月見うどんとサンマガ並ぶ。
ついでに床の間の花も、菊に替えた。
残念ながらお客がゼロで、それで遊んでくれる子どもはいなかったけれど、
和子さんがとても喜んでくださった。
「今年はサンマが高いんやって。」 食べられないサンマでごめんね。
さて、子どもたちが来たら折り紙でもしようと準備していた作品を
ドールハウスの横に置いて、あきらめて帰る。
作り方を孫に教えてもらった、鬼滅の刃バージョンのランドセルだ・
キャラクターのお決まりのデザインになっている。
ランドセルの中には、同じ模様のノートも入っている。
文庫にくる子たちはきっと喜んで作るかなあと思ったけれど、また次回に。
本棚の本を眺めていて、目についたのは古い『千一夜物語』。
元になった底本というものがなく、世界中で再話や補完がされて、
千一夜物語(アラビアン・ナイト)と言ってもいろんな種類がある。
文庫にあるのは、子ども向けにやさしく書かれたもので、
ちょっと物足りない気がするが、私は小さいころから千一夜物語が好きだった。
ランプの魔人や、空飛ぶ黒い木馬を想像しただけでワクワクする。
いつか自分で覚えられたら、千一夜物語を子どもたちに語ってみたい、
というのは夢だけれど。
次の文庫の日は、9月5日です。
(芝 直子)