「やあ、ねこくん!」 2021年6月19日 

今日のまゆーら 2021/06/21



今日は梅雨本番の雨の中、上田大愚氏の浄土三部経奉納法要。

午後からは併せて作品展も開かれていて、境内をお客様が次々と通られる。

 

文庫からその様子を見ていて、せっかくの作品展を拝見に行こうかと思いつつ、

来るときに濡らしてしまった靴のせいで、はだしになったので、遠慮する。

 

文庫で本を読んでいたら、珍しくはるちゃんが入ってきてくれた。

午前の法要から来ていたらしい。

絵を描いたり、スマホの写真を消したり、こんなおばさんの側で遊んでいた。

中学2年生ともなると、スマホの扱いも神速だ。

 

ついでに数年前に撮ったお兄ちゃんとの2ショットを見せてくれた。

まあ、お兄ちゃんとそっくりで、どう見てもコピペして合成したみたいで、

二人で大爆笑してしまった。

 

今はこんなにきれいな女の子になって、似てなくて良かったね、

と言えばいいのかどうか。お兄ちゃん、ごめん。

久しぶりにはるちゃんとたっぷりおしゃべりして、楽しかったです。

 

今日、私が借りて帰ったのは、エズラ・ジャック・キーツの『やあ、ねこくん!』

キーツの本を探していて、ああ、これもキーツだったかと再発見した。

やあねこくん!

 

 

 

 

 

 

 

キーツの絵本でおなじみの、少年たちの生き生きとしていること。

本当に子どもらしくて、ピーターも、この本のアーチーも、大好きだ。

 

この『やあ、ねこくん!』は、友だちとの待ち合わせ場所へ

アイスクリームをかじりながら歩くアーチーが、たまたま見かけたネコに

「やあ、ねこくん!」と声をかけたばかりに始まる大騒ぎ。

 

この絵本に出てくるネコが自然でいい。

最近ネコの出てくるお話にはまっていて、絵本もネコ…・

 

さて写真は作品展に来た子どもさんたち。

お父さん、お母さんが作品を鑑賞中、ちょっと文庫に来てくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めはドールハウスや積み木を出して、静かに遊んでいたのに、

私がはるちゃん相手に『ネコの家に行った女の子』を語りだしたら、

どうも様子が違うと不安になったらしく、お姉ちゃんのお目目がウルウル。

 

ごめんね、怖いお話じゃないんだけれど、お母さんが恋しくなったのかも。

後で、泣かしてしまったと落ち込んでいたら、そんな事ないと思うで、と

はるちゃんが慰めてくれた。

せっかくのお客さんだったのに、申し訳ない。

 

次の文庫の日は、7月3日です。

(芝 直子)

仏説浄土三部経奉納慶讃法要と上田大愚書作展のご報告

雲城山正教寺 お知らせ 2021/06/20

日増しに暑くなり、いよいよ夏の到来を間近に感じる季節となってまいりました。

かねてよりご奉賛を募集しすすめてきました、仏説浄土三部経の奉納が

6月19日(土)無事終了しましたので、ご報告申し上げます。

上田大愚様はじめご奉賛、ご協力いただいた皆様、に深くお礼申し上げます。

また、皆様のお志が無事奉納の日を迎えましたこと

心からお祝い申し上げます。

コロナ禍でもございましたので、特にご尽力いただいた皆様、上田大愚様とご家族、お寺側として総代の皆様、寺族の皆様に本堂にご参列頂き、

多くの皆様にはオンラインにてご参列をいただいて法要が勤められました。

仏説浄土三部経の仏説無量寿経から四十八願文の部分を読経しました。

読経のあとは記念講演としていのちの講演家岩崎順子様にご講演頂きました。

奉納された浄土三部経が何代にもわたって伝えられてゆくことにちなみ、次の世代に語り継いでゆくべきものをキーワードのご講演でした。沖縄地上戦で懸命に看病にあたったひめゆり学徒の語り部の方のお話を中心に何を大切にして今を生きるのかということを教えて頂きました。そして、「ふるさと」の曲をBGMに亡くなった大切な人に思いをはせる時間を持ちました。心に染み入るご講演で、心の洗濯をしていただいたような気持になりました。

そして総合司会としてフリーアナウンサーのいわさきふきこさんが、厳かでありながら和やかに司会をしてくださりました。じつは講演の岩崎順子さんのお嬢さんです。親子で盛り上げて頂き感謝申し上げます。

法要のあとは、奉納された浄土三部経を一部広げて、皆様に御覧頂きました。

昨年9月からクラウドファンディングで奉賛の募集をさせていただきました。それから、約10か月。いろいろな方々のお力添えをいただいてようやく奉納の日を迎えることができました。

次号の正教寺寺報にて報告とお礼の特集をして皆様にお送りし報告の完了とさせていただく予定です。取り急ぎご報告申し上げます。

尚、せっかくの機会でしたので、上田大愚様の作品を展示し一般の方に御覧いただけるよう上田大愚書作展も併催いたしました。15年ぶりの個展ということで、二日間の会期中、観覧にいらっしゃる方がほとんど途切れることはありませんでした。下記サイトで展示作品の紹介をしていますので、ご興味のある方はぜひ御覧ください。

以下当日のスナップ写真を掲載し、ご報告とさせていただきます。









「ベル・リア ~戦火の中の犬~」 2021年6月5日 

今日のまゆーら 2021/06/06



 

梅雨らしく、降ったり止んだりの境内で、ご住職が菜っ葉の収穫中。

和子さんがその菜っ葉を半分くださったので、有難く頂戴した。

 

「きのう、ワクチン2回目したんよ」と、和子さん。

なんだか調子が悪そうだ。

私も今週、2回目のコロナワクチンをしてから、発熱してダウンした。

高熱でもないのに、体の節々がひどく痛んで、動けなかったのだ。

二人でそんな話で盛り上がってしまった。

 

休んでた方がいいよ、と和子さんにすすめて、文庫で本を読む。

前回の文庫の日から読んでいる、『ベル・リア ~戦火の中の犬~』だ。

シーラ・バンフォード作のとても古い本。

第2次大戦中のフランスで、旅芸人一座の犬だった黒いテリアが、

撤収中のイギリス兵に救われ、その兵士と共に撃沈され、

最後にはイギリスにで、余生を過ごすまでの話だ。

ベル・リア

 

 

 

 

 

 

 

 

厳しい戦争の現実と、その中を生きようとする人々の姿や、

犬と関わり、変わっていく様子など、読みだしたらどんどん引き込まれる。

ユネスコライブラリー100でもらった本の1冊なので、数が多くて

きちんと読んでなかったのかも。

 

改めて読むと、すごく心に迫るいい本だ。

それとも昔読んだ時とは感じ方が変わったのかもしれない。

そんなことってあるなあ。

年月を重ねるのも悪くない。

 

さて、少し楽になったらしい和子さんが戻ってきて、

自分でカーテンを引いて、お話のリクエスト。

有難いので、ろうそくをつけて聞いてもらった。

 

今日のお話はアイルランドの昔話で、『ネコの家に行った女の子』。

とても喜んでくださるので、お話をするのが楽しい。

次回は何を聞いてもらおう。

 

いただいた菜っ葉は、帰ってピーナツ和えにしました。

おいしかったです。ごちそうさま。

 

次の文庫の日は、6月19日です。

(芝 直子)

「はらぺこあおむし」 2021年5月29日 

今日のまゆーら 2021/06/03



第5土曜日の文庫の日。

文庫の時間にお客はなかったけれど、うれしいことに

別の日に子どもたちが来てくれたそうだ。

 

3、4人で元気に遊んでくれたとのことで、

前回よりもいっそうドールハウスの中が動いている。

うれしいなあ。どうせだったら土曜日の文庫の時間に来てくれたら、

一緒に遊んで、お話も聞いてもらうんだけれど。

 

今日のところは藤浪さん一人をお客様にして、

アイスランドの昔話『正直な若者とねこ』を聞いてもらった。

 

常々思うに、昔話の中に出てくるネコは、どうして悪役が多いんだろう。

化け猫だったり、弱い者いじめだったり、悪魔の手先だったり。

それで、賢くて役に立つネコのお話はないかと探して、

おはなしの先達たちに教えてもらった。

 

このお話はネコを知らない国で、ネズミをやっつけて役に立つ話。

それで、ネコを連れて行った正直な若者が、王様の跡継ぎになるのだ。

うん、めでたしめでたし。

 

ところで、先日エリック・カールさんの訃報を聞いて驚いた。

『はらぺこあおむし』の作者で、子どもたちにも知られた方だ。

文庫には他にも『パパ、お月さまとって!』や、『たんじょうびのふしぎなてがみ』、

『だんまりこおろぎ』などがあったはず。

 

 

 

 

 

 

 

はず、と言うのは『だんまりこおろぎ』は、鳴らなくなっているから。

あれは最後のページを開くと、コオロギの声が聞こえる仕掛け絵本だったのだ。

使いすぎてもう鳴らなくなってしまった。

 

『はらぺこあおむし』は、まだまだ文庫に健在だ。

独特な貼り絵と、穴あきのページ、リンゴやナシならまだいいが、

キャンデーやらチョコレートケーキを食べておなかが痛くて泣くあおむし。

最後はきれいなチョウチョになる。

 

 

文庫に来た子なら絶対に知っている絵本。

グッズも色々出ていて、大人にもなじみのある本だ。

 

素敵な絵本を書いてくれる作家の方が、どんどん亡くなる気がして、悲しい。

でも、その系譜を受け継いだ新しい才能に出会えるのを期待しよう。

 

次の文庫の日は、6月5日です。

(芝 直子)