今年はいつまでも暑い日が続いて、ちょっと動くと汗をかく。
文庫に遊びに来てくれたあお君も、半袖だ。
明日から急に寒くなるって言うけれど、ほんとかしらん。
あお君は、前に一度文庫に来てくれた3歳の男の子。
今日は本堂で上田大愚センセイのお習字の日で、お母さんが初参加。
その間あお君は文庫でお留守番というわけだ。
お母さんいわく、あお君はまゆーらの事を「遊ぶ図書館」と言っているそうで、
それはすごくうれしい。
それこそ子ども文庫の醍醐味のような気がするわ。
お目当てのドールハウスを低い台の上に並べたものの、
すぐに迷路や積み木、ギザギザハサミ、と興味が移って、大忙し。
写真は自然材の積み木をせっせと積んでいるところ。
この積み木が入っている箱も、実は輪っかがついていて車になっている。
積み木を出した後は自分が入って、文庫の中を動いたり、
本を一杯積んで、トラックにしてお店屋さんごっこ。
これがほんとの移動図書館。
渡辺茂男作の『じどうしゃ じどうしゃ じどうしゃ』も、
あお君がその車に積むために、本棚から出してきた本。
装丁が幼年童話のようになっているので、絵本の棚ではなく、
読み物の所に並んでいたのだが、開いてみると字はごく少しで、
大友康夫さんの自動車の絵がページいっぱいに描かれている。
乗り物好きらしいあお君のチョイス。
さっそく読んでみたら、ピトッと横に座って聞いてくれた。
ほとんど絵本と同じ感覚で読める本だった。
町から隣の村に向かう途中の一本道で、なぜか車が数珠つなぎになって、
どうして渋滞しているのか、運転手さんが順番に前の車に聞きに行くと…。
伝言ゲームみたいに返事が変わって伝わるところも面白い。
さて、渋滞の本当の原因は?
あお君は気に入ったようで、帰りにこの本も借りてくれた。
いっぱい遊んでいたが、そのうちだんだんお母さんが恋しくなって、
こっそり本堂をのぞきに行ったのは、当然だよね。
「○○知ってる?」とたずねると、知らない、じゃなくて
「知ってない」と答えるあお君。
また遊びに来てください。
次の文庫の日は、10月30日です。
(芝 直子)