今年の桜は早い!
もうあちこちで山桜が開花して、山が白くなっている。
ソメイヨシノももうすぐ咲くなあ。
次回の文庫の日、4月1日は、花祭り。
もしかしたらソメイヨシノは満開で、皆さんお花見に繰り出すかしらん。
文庫にも来てくれたらいいな。
今日の文庫はお客様が無くて、一人で本を読んでいたら、
和子さんが「誰もないから、お話して」と言いながら入ってこられた。
小さい子向けのお話か、大人向けか、と思案したが、
「前に聞いた和歌山のお話、タヌキの話がもう一回聞きたい」とのこと。
ああ、『扇之芝のたぬき』ね。
あれならいつでも語れる、私にとっては特別なお話だ。
何しろ、小さい頃から父親に何度も聞いた、地元のお話だから。
扇之芝と言うのは、和歌山城の北西の角、三年坂を上がった所。
県立美術館の反対側になって、三角形の扇の形からそう呼ばれている。
昔々は、そこにタヌキが出て、悪さをしたというお話だ。
最近では誰も信じてくれないけれど、私の小さい頃にはお城の中の動物園に、
タヌキとキツネが飼育されていた。
父親からタヌキの話をしょっちゅう聞いていたものだから、
檻の中のタヌキを見て、「お前か!」と思った記憶があるもの。
和子さんにお話を聞いてもらってから、絵本の整理をしていたら、
懐かしい本を見つけた。
前回の『ジェインの毛布』と同じくらいに古くからある、
ハンス・フィッシャー作の『こねこのぴっち』。
石井桃子さんの訳で、70年くらい前に出版されたものだ。
田舎の農場に暮らす動物たちの様子と、子ネコのぴっちがとにかく可愛くて、
昔、一番上の子どもに読み聞かせてから、何度読んだかわからない。
ぴっちのきょうだいの名前が、ぱっちとか、みっちとか言うのも
娘のお気に入りだった気がする。
そういえば同じくらい古い、渡辺茂男さんの『もりのへなそうる』には、当初、
はなそうる、ひなそうる、ふなそうる…とか言う兄弟がいる設定だったとか。
脱線した。
次回4月1日は、花祭りです。
どんなお花でもいいので、何かお花を持って遊びにいらしてください。
4月8日ではないので、ごめんなさい。
次の文庫の日は、4月1日です。
(芝 直子)