小雨模様の静かな日。
今日もお客さんゼロの日で、和子さんと二人だった。
和子さんもお元気そうで、ゆっくりと文庫でおしゃべり。
半年前まで小さいお子さん連れで見えていた、
育休中のお母さん方が最近お見えにならないのは、
みんな復職してお忙しいのだと思う。
そのうちまたお見えになる日もあるだろう。
時間がたっぷりあって、和子さんも聞きたいと言ってくれたので、
今日はお話の日になった。
最近覚えた、紀三井寺のもう一つのお話。
山門の仁王さんについての『力くらべ』と言うお話だ。
毛見に住む仁吉という大男が、阿波の国の力持ちの所へ
どちらが日本一かと、力くらべに行くのだが、
相手が強すぎて、逃げ帰ろうとする。
そこを紀三井寺の観音様に助けてもらい、
約束通り今も紀三井寺の山門で、門番をしているそうな。
本物を見たいと妹が言うので、この間紀三井寺に行ってきた。
仁王様は金網越しに阿吽二体がおられて、
はて、どちらが仁助やら。
それともう一つの紀三井寺のお話、『円明はんの三宝柑』。
実は文庫の後、美山村のお月見お話会に呼ばれていて、
そこで語るのだが、練習に和子さんに聞いてもらった。
本棚から目についたのは、『あっちへいけよ』という小さい絵本。
なぜか大きい絵本の間で、不思議にピカッと光った本だ。
背表紙が見えなくても、『あっちへいけよ』だと分かったわ。
あ、こんなところにいたのね、と言う感じ。
クロスビー・ボンサル絵、ジョウン・ヌッドセット作の絵本で、
最近は絶版で、復刻の予定もないらしい。
中古のマーケットでは数千円の根がついているようだ。
ネコ好きの私でも大好きな、イヌの絵本。
感想を聞いてみたい、小さい子たちの顔が浮かんだ。
下の県道で待ち合わせなので、少し早めに文庫はお終い。
雨は上がったようだが、お月さまは見えるかなあ。
文庫にあった、お月見のミニチュアでも写しておこう。
次の文庫の日は、10月18日です。
(芝 直子)