「枕草子」 2023年12月2日 

今日のまゆーら 2023/12/03



いよいよ師走。

作品展から撤収してきたドールハウスを、文庫に戻す。

大事な『まゆーら』の看板も、『子どもの遊び』の絵も、

無事に定位置に戻ってきた。

 

なんと、作品展をご覧になったというお客様もお見えになった。

佐武さんとおっしゃる男性で、子どもたちに珍しいお土産をいただいた。

たくさんの種類の椎の実やドングリで、きちんと名前を書いて、

二つずつビニール袋に入っている。

 

珍しい栃の実もあって、こんなに大きい実だとは知らなかった。

栃の木って、『モチモチの木』のイメージだわ。

幼い頃の豆太が、栃餅の木と言えずに命名したもの。

絵本を読んで、栃餅っておいしいのかなあと、ずっと思っていた。

佐武さんによると、粉にして灰汁を抜いて、手間がかかるそうだ。

 

お習字の日ではないが、久しぶりにあお君も来てくれた。

それも、3ヵ月前に誕生した、妹のしずくちゃんも一緒に!!

こんなに寒いのに、連れてきてくれたママも大変だったろうに、

とてもかわいいしずくちゃんに会えて、本当にうれしい。

 

さて、にわかににぎやかになった文庫で、あお君に手伝ってもらって、

ドールハウスのミニチュアを元に戻す。

「これはここ」と、すらすら元の場所に戻していくあお君。

さすが、文庫でドールハウスを独り占めして遊んでいただけのことはある。

 

その中で、これはどこに置いたものかと、私が思案したのが、

写真の『枕草子』と、もう一つは『まりと殿様』。

ドールハウス用枕草子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品展に出していたミニチュアの和本の中に、

上田大愚氏がいつのまにやら字を書きこんでいたのだ。

和本のサイズは縦2センチ。

まさか書けるとは思わなかった。

 

枕草子の方は、春はあけぼの、の一段。

まりと殿さまは、歌詞の一番を全部。

せっかく大先生が書いてくれたのだから、表題紙も頑張って作ってみたわ。

 

みんなに見せてから、置き場所を考えたけれど、

大事に引き出しにしまっておくより、やっぱり子どもが遊べるように、

ドールハウスの和室の違い棚に置くことにした。

でも帰りに写真を撮ろうとしたら、『まりと殿様』がどこかに紛れている。

またどこかから出てくるでしょう。上田先生、ごめんね。

 

次の文庫の日は、12月16日です。

(芝 直子)

「ジャングル・ブック」 2023年11月18日 

今日のまゆーら 2023/11/22



なんと師走並みの寒さになって、びっくり。

昨日まではこんなんじゃなかったのに…と、文庫にくるなり

ドールハウスにコタツを出してみる。

ついでに鍋と熱燗!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日から和歌山城ホールで始まった、グループまゆーら作品展にも、

ドールハウスを持って行っているので、あっちもコタツにしたいと思ってしまった。

模様替えしてこよう。

 

昨日は初日だったので、一日お手伝いに行ったが、本当の所は働かずに、

座ってミニチュアを作って遊んでいただけだ。

でも、朝から取材の方が2組おいでになって、色々ご質問も受けた。

 

その中の朝日新聞の方が、作品展の母体になった文庫にも興味を持たれて、

なんと今日の文庫の時間に、写真を撮りたいと、来てくださった。

 

お若い女性の方で、文庫に入るなり、本を見て感激…。

「子どもの頃に読んだ本がいっぱいある! いいですねぇ!」と、

目を輝かせて本棚を見てくれて、帰りには本を借りて帰られた。

ジャングルブック

 

 

 

 

 

 

 

福音館書店の分厚い本で、キップリング作の『ジャングル・ブック』。

小さい頃に何度も読んだが、もっと簡単な子ども向けの本だったらしい。

ジャングル・ブックはディズニーのアニメで有名になったけれど、

小説ではもっと奥深い、人間と動物たちとのあれこれが描かれている。

いいなあ、ぜひ本物に触れてください。

 

お忙しそうだったけれど、また読み終わって別の本を借りに来てくれるだろう。

あの本も読みたい、あれも懐かしい、とずいぶんおっしゃっていたし、

「そう! 私もあの本が大好きです」と、一緒に盛り上がってしまった。

不思議なところで、本を借りてくれるお客が増えそうだ。

新聞記事も楽しみだ。

 

でも、たくさん撮っていただいた文庫の写真には、いつも正面にあるはずの、

上田大愚氏筆の『まゆーら文庫』の看板が和歌山城ホールに出張中で、留守…。

残念だ。

 

 

 

 

 

 

いつもなら本堂で開かれるお習字の会も、今日は特別に和歌山城ホールで

開催されていて、静かだ…と思っていたら、変更をご存じない方がお一人、

お寺に来られたので、あわてて和歌山城ホールに行っていただいた。

お留守番の役にはたてたようだ。

 

次の文庫の日は、12月2日です。

(芝 直子)

「グループまゆーら作品展~”縁”がつなぐ物語~」ご案内

雲城山正教寺 お知らせ 2023/11/10


「グループまゆーら作品展~”縁”がつなぐ物語~」

おとなの書道講座でお世話になっている上田大愚先生が事務局となって

準備してくださっています。まゆーら文庫にご縁のある作家の皆様の作品展です。

賛助いただいた先生方の作品も同時に展示され、見ごたえのある作品の数々です。

ご多用のところ恐れ入りますが、会期中に是非会場にお運びいただきますようお願い申し上げます。

 

以下 上田大愚先生のブログから案内分を転載させていただきます。

 

開催期間:2023年11月17日(金)~11月29日(水)9時から22時

開催場所:和歌山城ホール 3階 多目的室(和歌山市七番丁25番地の1)

グループまゆーら作品展~”縁”がつなぐ物語~

ゆたかな田園風景が広がる和歌山市冬野。

小高い山の中腹にある雲城山正教寺の一角に「まゆーら文庫」はあります。

半世紀の歴史があるこの小さな子ども文庫で幼いころから良い本に触れて、豊かな感受性を身につけた子供たちがたくさん巣立っていきました。そのうちの何人かは、いま「ものづくり」の分野で活躍しています。

このたび、そんな仲間が「グループまゆーら」として集まり、多彩なジャンルの作品を発表します。会場ではまゆーら文庫の紹介パネルや、賛助作品としてまゆーら文庫と正教寺ゆかりの作家の方々の作品も併せて展示し、まゆーらを知る方には懐かしく、知らない方には行ってみたいと思っていただけるような展示内容とします。

出品作家(まゆーら文庫出身の作家)

itto(いっと):アニマルアート(ボールペン画)

上田大愚(うえだたいぐ):書

真朱(しんしゅ):漫画・イラスト

創作こけし壮々房(そうさくこけし そうそうぼう):創作こけし

ソメテヲル(そめてをる):草木染・手織

ぴよ:デジタルアート

 

賛助出品作家(まゆーら文庫ゆかりの作家)

佐藤千恵子(七宝焼)

芝直子(ドールハウス)

玉置尚寛(水墨画)

中西玄匡(書)

爪靖雄(漆工芸)

松原時夫(写真)

 

お近くの方はぜひご覧ください

 

 

報恩講2023のご案内

雲城山正教寺 お知らせ


11月12日日曜日 14時から

報恩講があります。

今年は親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要が本願寺はじめ各地で開かれています。

当山でも報恩講と一緒に勤めさせていただきます。

ご法話は西専寺の楠井先生にお願いしています。

どなた様もお気軽にお参りください。

写真は過去の報恩講の様子です。

 

「タンタンの冒険」 2023年10月21日 

今日のまゆーら 2023/10/22



晴れの予報のはずが、何やら雲行きがおかしくなって、雨雲アラームが届く。

風も吹いて、いっぺんに肌寒くなってきた。

お習字の日で、皆さん熱心に励んでいらっしゃる。

 

来月のまゆーら作品展についてお伺いしていたら、

出展する方々に「文庫で思い出に残っている本」を聞いているとのこと。

なんと! それはしっかり文庫の思い出も展示するわけだ。

 

それなら、その該当する本も実物を出してもらわなければ。

というわけで、思い出に残っていると言ってもらった本を

急いで本棚から抜き出して集めた。

タンタンの冒険 燃える水の国

 

 

 

 

 

 

その中の1冊が、エルジュ作の『タンタンの冒険・燃える水の国』だった。

一見絵本に見えるけれど、中身はしっかり外国のコミックス。

 

小さいコマ割りの中に、びっしり吹き出しのセリフが詰まっていて、

おばさんには、正直ちょっと読みにくい。

お話は面白いんだけどなあ。

 

文庫には10冊くらいあるので、ぜひお若い方、読んでみてください…

と言っておこう。

 

他にも、『精霊の守り人』や、『なんでも魔女商会』、『わすれられないおくりもの』、

『スパイダーウイックの謎』、『ウォーリーをさがせ』などなど。

定番絵本や、人気の本が並んだ。

思い出に残るほど読んでくれたんだ。嬉しいなあ。

 

文庫出身の皆さん方の、芸術作品を見せてもらうのを、楽しみにしています。

さて、私の年代物のドールハウスも、持って帰って修理することにしよう。

 

次の文庫の日は、11月4日です。

(芝 直子)

「魔法使いのチョコレート・ケーキ」 2023年10月7日 

今日のまゆーら 2023/10/09



先週まで冷房を使っていたはずなのに、なんと肌寒くなったこと!

今朝の散歩は本当に寒くて、上着をしっかり着込んだ。

…秋はどこへ行った、とぼやいてしまう。

 

今日の文庫は、和子さんがお留守で、境内ではご住職が畑仕事。

文庫で本の片づけをしていたら、栄田さんがお見えになった。

数少ない、本を借りてくれるお客様だ。

 

今日も新しく数冊を借りて、素敵なリュックサックに入れて、

自転車で帰られた。

稲刈りの進む田んぼの中を、颯爽とマウンテンバイクで走るそうだ。

 

 

本を借りて、白い紙に書いてくれていたら、その紙がいっぱいになった。

新しい紙をお渡ししたけれど、子どもたちみたいにノートへ作ったらよかったな。

大人の方でも、読みやすい楽しい本は一杯あるので、ぜひ借りてください。

魔法使いのチョコレートケーキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな物語の一つをご紹介。

マーガレット・マーヒー作の『魔法使いのチョコレート・ケーキ』だ。

短編集で、読みやすいし、中身はちょっぴり不思議な、魔法めいたお話。

登場人物は子どもが多いけれど、

子どもの心がわかる、素敵な大人もたくさん出てくる。

 

『メリー・ゴウ・ラウンド』も、好きだし、

『魔法使いのチョコレート・ケーキ』は、ちょっと切ない。

童心に返って、ファンタジーを楽しみませんか。

 

ところで、11月にまゆーらに縁の方たちの作品展を開くとのこと、

確かに、上田大愚氏を筆頭に、物作りや芸術に秀でた方はたくさんおられる。

私のドールハウスも展示してくださるとのお話で、それは大変。

あっちこっち壊れてしまっているから、修理して、埃も拭かねば。

 

あのドールハウスは、まゆーらに来た子どもたちが自由に遊んでくれるように

置いてあるので、壊れても、小物がなくなっても、一向に困らない。

直せばいいだけの事だから。

よし、久しぶりに気合を入れて修理しよう。それも楽しいぞ。

 

次の文庫の日は、10月21日です。

(芝 直子)

鍼灸師による姿勢を整えるけんこう体操教室 10月教室の時間変更のご案内

雲城山正教寺 お知らせ 2023/10/02

鍼灸師の熊井利將 先生による

姿勢を整えるけんこう体操教室の時間変更をご連絡します。

10月開催日時は10月15日(日)13時からとなります。

午前中は正教寺檀家会の皆様が剪定作業をしてくださるので、

熊井先生に時間変更をお願いしました。ご了承をお願い致します。

 

日 時:毎月第3日曜日  10:00~11:00 (予定)
    (1月と10月は第4日曜日)
    2023年度の予定(1/22・2/19・3/19・4/16・5/21
     6/18・7/16・8/20・9/17・10/22・11/19・12/17)
場  所: 雲城山 正教寺
参加費: 500円以内でお寺にお供えお願いします
※要申込み
都合により実施できない場合もあります。

鍼灸師による姿勢を整えるけんこう体操教室

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上田大愚先生のおとなの書道講座11月会場変更のご連絡  23.11.18

雲城山正教寺 お知らせ

上田大愚先生のおとなの書道講座

少し先の予定についてです。

11月のおとなの書道講座は11月18日(土)14時から

和歌山城ホール4階会議室3で開催します。

 

尚、11月17日(金)~29日(水) 9時~22時

和歌山城ホール3階多目的室にて「グループまゆーら作品展 ~”縁”がつなぐ物語~」

と題して上田大愚先生はじめまゆーら文庫出身の作家によるグループ展が開催されます。詳細は別途ご案内します。お楽しみに!

10月21日(土)は予定通り正教寺で開催です。

よろしくお願い致します。

次回は8月19日土曜日です。

 

令和5年 おとなの書道講座1月~12月年間予定表

「くるまはいくつ」 2023年9月30日 

今日のまゆーら



今日のおススメ絵本は、50年以上前に出版された本。

渡辺茂男作・堀内誠一絵の『くるまはいくつ』だ。

文庫の歴史と、あんまり変わらない。

くるまはいくつ

 

 

 

 

 

 

 

堀内誠一さんの絵になる本を探していて、集めた絵本だ。

古くても、渡辺茂男作さんのイデアは斬新だし、絵もかわいい。

堀内さんって、かわいいこんな絵も描くし、線描きの緻密な絵や、

ゆったりした水彩画風の絵本など、幅広い画風が魅力。

 

集めた本を文庫に持って行ったので、誰か読んでくれるといいな。

この絵本は、車が一つの物は何?  一輪車。

二つの物は? 自転車 と、どんどん増えていく。

じゃあ、車が10個ついているのは…。なんだろう。

乗り物好きの小さい子なら、きっと喜んでくれると思う・

 

田んぼの稲刈りも進んで、彼岸花が色あせてきた。

昼間はものすごく暑いけど、季節は進んでいるらしい。

そういえば昨日はお月見だった。

 

和子さんに、『ウサギが月で餅ついてるわけ』という

和歌山のお話を一つ聞いてもらって、今日はおしまい。

鳴かなくなった鈴虫のケースも引き上げだ。

また来年。

 

次の文庫の日は10月7日です。

(芝 直子)

「秘密の花園」 2023年9月16日 

今日のまゆーら 2023/09/17



今日も残暑が厳しくて、お墓の花も干からびている。

水道の水も熱湯で、しばらく出していないと花筒に入れられない。

そんな中、お習字の方々が熱心においでになっている。

 

文庫は涼しくしてくださっていて、ありがたい。

お客様が無かったので、一人で涼しい文庫でゆっくり本を探す。

この頃探しているのは、堀内誠一さんが挿絵を描いた本だ。

 

自身でも『ちのはなし』などの科学の本を出しているが、

他の作家の方の作品に絵を描いているのが多いのだ。

渡辺茂男さんとのコラボで『くるまはいくつ』とか、

西内ミナミさんとの『ぐるんぱのようちえん』とか、名作が多い。

秘密の花園

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その中でも、バーネット作の『秘密の花園』の挿絵がいい。

大好きな本なのに、この中の繊細な白黒の線描きの絵が、

堀内誠一さんの描いたものだとは最近まで知らなかった。

この人の絵は、鮮やかな色合いのポップなものから、

水彩風の大きな絵まで、とても変化に富んでいて、見ていて楽しい。

秘密の花園 挿絵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『秘密の花園』は、児童文学の名作で、50年くらい昔に出版されたもの。

両親を亡くしてインドからイギリスのお屋敷に引き取られた少女と、

体を悪くして部屋に閉じこもったきりの少年との、出会いと再生。

二人とも生い立ちから心を病んでいるが、閉ざされた花園の中で、

花園と共に、次第に再生していくまでの、長い物語だ。

 

文庫にあるものの、誰も借りてくれたことのない本の一つかもしれない。

読んだらすごく面白くて、特に最後のページなど、

車椅子のはずの少年が、父親と共に堂々と歩いて屋敷に帰るシーンは、

何回読んだか分からない。

 

なのにこのイラストが、堀内誠一さんだと知らなかったなんて。

まだまだ文庫の本も、知らないことで一杯だわ。

 

次の文庫の日は、9月30日です。

(芝 直子)