梅雨の晴れ間のお日さまで、今日はギラギラの日差し。
駐車場から登ってくるのにも、日傘が手放せなくて、
入り口の手すりに看板を結びつけるのに四苦八苦。
お習字の日で、入ってこられる方たちにご挨拶しながら紐を結んでいたら、
あお君のお母さんが、今日はあお君はお休みとのこと。
パパといいところへお出かけらしい。
じゃあ100冊のお祝いは、次回にしよう。
一人の文庫で、今日は絵本を探すことにする。
知り合いに、「読み聞かせに向いた絵本を教えて」と頼まれているのだ。
一杯あるよ、と安請け合いをしたものの、
いい絵本が、イコール読み聞かせ向きとは限らない。
大勢の子どもたちの前で読むのなら、絵も遠目にはっきりしている方がいいし、
文字も多すぎては困る。
もちろん子どもたちの心をひきつける絵本であることは必須。
そう考えると、なかなか難しいのだわ。
まゆーら文庫にはたくさん絵本があるので、じっくり探すことにした。
2時間ほどかかって、30冊くらい候補をリストアップ。
でも、「あー、この本もいいのにな」と思っても、絵が細かかったり、
大勢で見るには無理があったりして、何冊かはあきらめた。
あきらめた本の一つが、『うちのこみませんでした?』だ。
ナンシー・タフリ作で、パッと目を引く大きなカモの絵。
お母さんカモが、いなくなってしまった1匹の子ガモを
他のきょうだいを引き連れて、探しに回るお話。
出会った動物たちに、「うちのこみませんでした?」と聞いて回るのだが、
だれも見てないらしい。
ところが…、絵本を見ている子どもたちからは一斉に、
「あそこ!」「いてる!」と声が上がる。
どのページにも、ほんのちょっとだけいなくなったはずの1匹の姿が。
だからこの本は、見え隠れしている子ガモを探せるくらいの距離と、
子どもの人数じゃないと無理なのだ。
一緒に読むには、すごく面白い本。
ところで、なぜこの本を紹介しようと思ったかと言うと…
実は今日、お散歩に行った近所の田んぼで、
この絵本そっくりの、子ガモの団体さんを見たから!
水路に掛かったコンクリの橋の下で、何やら水音がして、
鯉かと、のぞいたらカモの親子がいたのだ。
まだ握りこぶし大の、この絵にそっくりな模様の子ガモが多分10羽ほど。
くっ付き合って、ぶしつけにのぞく人間から、泳いで逃げていた。
思わず、ごめんごめんと言ってしまった。
可愛かったなあ。イタチやタヌキなどに襲われずに育ってほしい。
次の文庫の日は、7月1日です。
(芝 直子)