5月もお終い。
暑くも無し、寒くも無しのいい気候になった文庫に、
お客様は大人の方ばかり3人だった。
まず佐武さんがいらっしゃって、今日はお手製のシャボン玉一式をいただく。
きちんと講習を受けに行って作ったという、シャボン玉液と、
それを大きく飛ばすためのチェーンやら、道具一式を持ってきてくださった。
あいにく小さいお客さんが無くて、実際に遊べなかったのは悔しいけれど、
絶対に子どもたちが喜ぶのは間違いない。
楽しみだなあ。
こんな日は蛍が飛んでいるから、夜には見に行くのだと佐武さん。
もう55年もお気に入りのスポットで、子どもたちに蛍の案内をされているとか。
小さい子の手の中に、そっと蛍を入れてあげるって!
親子で、佐武さんに蛍を手の中に入れてもらった体験者もいるらしい。
私も小さい頃に、母の実家に蛍を見に行った体験を思い出した。
捕まえて籠に入れ、持って帰ったっけ…。可哀そうなことをした。
おしゃべりをしているところへ、栄田さんが本を借りに来てくださった。
数少ない、本を借りに来てくださる大人だ。
さっそくお二人にお話の押し売り。
今日のお話はフランスの昔話で、『小さな白ネコ』
恩も恨みも忘れない、とってもネコらしいネコで、大好きなお話。
佐武さんと入れ替わりに、もう一人、2年ぶりくらいで、私の知人が来た。
「芝さん、俺の友だちに、出産祝いの絵本を送りたいんやけど。」
ホウホウ、いつ生まれた赤ちゃん? えっ、1週間前?
それは素敵なご質問、と、栄田さんと二人で赤ちゃん絵本を選んでみる。
栄田さんも、かいがら文庫に携わってきた方で、絵本に詳しいし、
彼はなんと、小学生の頃にかいがら文庫に行ったことがあると分かった。
奇遇だわ。
赤ちゃん絵本は一杯あるよ。
私が何冊か出し、栄田さんも次々に選んでくれて、
テーブルの上は赤ちゃん絵本だらけ。
『たるまさん』シリーズ、『いないいないばあ』、『くつくつあるけ』
『もこもこもこ』、『ぴよぴよぴよ』、『じゃあじゃあびりびり』
『ばあ ぷっぷ』、『はじめまして』
私はまついのりこさんの『じゃあじゃあびりびり』に詰まった、たくさんの音が好き。
でもきっと私の知らない赤ちゃん絵本も、たくさんあるに違いない。
時間切れになって、彼がまたゆっくり見に来ると言って帰ったので、
私も考えておくことにした。文庫にもまだまだあるし。
いいなあ、赤ちゃん絵本。
次の文庫の日は、6月7日です。
(芝 直子)