「はらぺこあおむし」 2021年5月29日
2021年06月03日
第5土曜日の文庫の日。
文庫の時間にお客はなかったけれど、うれしいことに
別の日に子どもたちが来てくれたそうだ。
3、4人で元気に遊んでくれたとのことで、
前回よりもいっそうドールハウスの中が動いている。
うれしいなあ。どうせだったら土曜日の文庫の時間に来てくれたら、
一緒に遊んで、お話も聞いてもらうんだけれど。
今日のところは藤浪さん一人をお客様にして、
アイスランドの昔話『正直な若者とねこ』を聞いてもらった。
常々思うに、昔話の中に出てくるネコは、どうして悪役が多いんだろう。
化け猫だったり、弱い者いじめだったり、悪魔の手先だったり。
それで、賢くて役に立つネコのお話はないかと探して、
おはなしの先達たちに教えてもらった。
このお話はネコを知らない国で、ネズミをやっつけて役に立つ話。
それで、ネコを連れて行った正直な若者が、王様の跡継ぎになるのだ。
うん、めでたしめでたし。
ところで、先日エリック・カールさんの訃報を聞いて驚いた。
『はらぺこあおむし』の作者で、子どもたちにも知られた方だ。
文庫には他にも『パパ、お月さまとって!』や、『たんじょうびのふしぎなてがみ』、
『だんまりこおろぎ』などがあったはず。
はず、と言うのは『だんまりこおろぎ』は、鳴らなくなっているから。
あれは最後のページを開くと、コオロギの声が聞こえる仕掛け絵本だったのだ。
使いすぎてもう鳴らなくなってしまった。
『はらぺこあおむし』は、まだまだ文庫に健在だ。
独特な貼り絵と、穴あきのページ、リンゴやナシならまだいいが、
キャンデーやらチョコレートケーキを食べておなかが痛くて泣くあおむし。
最後はきれいなチョウチョになる。
文庫に来た子なら絶対に知っている絵本。
グッズも色々出ていて、大人にもなじみのある本だ。
素敵な絵本を書いてくれる作家の方が、どんどん亡くなる気がして、悲しい。
でも、その系譜を受け継いだ新しい才能に出会えるのを期待しよう。
次の文庫の日は、6月5日です。
(芝 直子)