今日のまゆーら

  「スイミー

2010年07月17日

今日読み聞かせしたのは『スイミー』1冊。

ご存じレオ・レオニ作、谷川俊太郎訳の絵本で、
小学校2年生の国語の教科書にも載っている
超有名絵本。

学校で『スイミー』を習ったばかりのきょうた君が、
同じレオ・レオニ作谷川俊太郎訳の『コーネリアス』や
『アレクサンダーとぜんまいねずみ』などのシリーズと
一緒に引っ張り出したのだ。

私も勤務先の学童保育の教室では、この時期、
2年生の本読みの宿題に、毎日10回は聞かされている。

「ふかいうみのそこに、ちいさなさかなの
きょうだいたちがたのしくくらしていた。
みんなあかいのに、いっぴきだけはからすがいよりも
まっくろ…」

子どもたちもしまいに暗記するけれど、私もすっかり
覚えてしまった。

側で、私が今日持って行った、おばけの本に
読みふけっていた1年生のみきちゃんをつかまえて、
「知ってる?」

ううん、と首を振ったので、
「聞いて聞いて、読ませて!」と、
無理矢理聞いてもらった。

いつも聞かされるばかりの『スイミー』、
たまには読んでみたい!

同じ谷川さんの訳なのに、文章がところどころ
違っていたり、絵も、絵本とは左右逆に印刷されている。

きょうた君がその事を知っていて、
言葉の違いを、ぱっぱっと指摘するのでびっくり。
原作絵本の方も、詳しく知ってるんだ!

それで思い出した。

今から20年もっと前、文庫の最盛期だったころに、
教科書の『スイミー』が絵本と違う理由を、
文庫の子どもたちが谷川俊太郎さんに直接
手紙で尋ねたことがあった。

直筆のお返事が来て、確かまだどこかに置いている。

絵が逆になっているのは、教科書の開き方が絵本と
逆になっているせいだとのお返事だったと思う。

言葉の違いは、谷川さんには分らず、
出版社の都合でしょう、と書かれていた。

今にして思えば、出版社が教科書向きに漢字に直したり、
(てにをは)を整えたものだろう。

勤務先と言い、文庫と言い、こんなに何十年も
スイミーと付き合うことになるなんて。

写真は『ミッケ!』を広げて熱心に探している
みきちゃんと、そのあと外遊びに出て行ったみんなに
置いてきぼりを食って、大泣きしているさやちゃん。

次の文庫の日は、7月31日です。
  (芝 直子)