「いちばんでんしゃのうんてんし」 2019年2月2日
2019年02月09日
切干大根を干した網戸が、文庫の入口で日を浴びていて、
大根のいい香りがする。
なんでもご住職が親戚のおうちに送るために
もう何日も干して、制作中だとか。いいなあ。
文庫は最近お客がなくて、今日も和子さんとおしゃべりして過ぎた。
こんなんで、文庫を長年やって来た表彰をしていただくのは
内心ちょっと忸怩たる思いもあったりして。
でも誰かが急に来た時に閉まっていたらイヤだから…と思うのよね。
和子さんも午前中文庫の絵本を何冊も手にとって読んだとの事。
文庫の時間にはやっぱり座り込んで本を読んでいる私も、
絵本の棚はしばらく見てないわ。
それで棚から次々に絵本を取り出して、じっくり読んでみた。
わー、この本、あの子に見てほしいなあ、とか思いながら見ていて、
やっぱり文庫にはいい絵本がいっぱいあるぞと、嬉しくなった。
で、翌日一人で電車に乗って出かける事があり、
真っ先に思い出したのは、たけむらせんじ作・おおともやすお絵の
『いちばんでんしゃのうんてんし』と『いちばんでんしゃのしゃしょうさん』。
東京のJR中央線を走る一番電車の、運転士と車掌さんの様子が
おおともさんの細かな絵でつぶさに描かれている。
ただしこの運転士と車掌さんは、同じ電車ではなくて、
それぞれ上り下り別の電車に乗っている。
あいにく関東の電車や地理に不案内な私でも、
電車を走らせるためにはこんなにたくさんの手順やルールがあって、
小さなハプニングをクリアーしつつ運転士さんたちが頑張っている様子と
独特のアングルからの沿線の風景に夢中になってしまう。
2冊の絵本を読み比べて、時刻や駅の様子を見て行くのも楽しい。
電車の好きな人には、ぜひ2冊とも一緒に読んでほしいと思う。
この本を思い出しながら、大阪駅から乗った紀州路快速の車掌さんの
流れるようなアナウンスを聞きながら、その裏のお仕事のあれこれを思った。
ちなみに作者のたけむらせんじさんは、本当に元車掌さんだそうだ。
次の文庫の日は、2月16日です。
(芝 直子)