「あたし ゆきおんな」 2021年1月30日
2021年02月02日
2021年ももう1か月が過ぎて、私は今年初めて文庫に行った。
私事でドタバタしていて、1月の半分以上を棒に振ってしまった感じ。
なんだかんだで久しぶりに行った文庫は、大人のお客さんが二人。
子どもじゃなかったけど、本を借りに来てくれたのはあいかちゃんのお母さんで、
これぞ文庫の仕事って気がしてうれしい。
もう一人の大人は、たまに遊びに来てくれる私のかつての仕事仲間。
新しい情報を教えてくれたり、愚痴を聞いたり。
今日はもっぱらコロナの話や、ドールハウスの話もして、
あと、私のつたないお話を、いつか学童保育の教室で語ってほしいとの事だった。
ほんとにできたらいいな。
彼が帰ってから、和子さんにお話を一つ聞いてもらって、文庫はおしまい。
今練習中の『地蔵浄土』の練習台というか、犠牲者かも。
そういえばこの季節になるとよく聞く昔話に、雪女のお話がある。
雪女が木こりの小屋にやってきて、冷たい息を吐きかけられた父親が死んで、
息子は命を助けてもらったけれど、その後に訪れた娘と夫婦になり、
ある晩とうとう昔の出来事を話してしまう、という話だ。
女の正体は雪女で、話さないという約束を破った木こりを残して消えてしまう。
あのお話も、深々と冷え込む雪山が見えるようで、ぞくぞくする。
それで思い出したのが、富安陽子作の絵本で、『あたし ゆきおんな』。
妖怪や不思議な世界の児童文学をたくさん書いている、私の大好きな作家だ。
富安陽子さんが書いた絵本というので手にしたが、
飯野和良さんの絵がものすごく雰囲気補出していて、なかなか !
なにより雪女目線というのがすごい。
雪女伝説とは関係なくて、雪の山でどうして雪女が生まれて、
どんなふうに山々を凍らせ、生き物を怖れさせ、春にはどこへ行くのか。
背中やおなかの中が、ゾクゾクぞわぞわする絵本です。
ぜひ雪の降る日に読んでほしいが、和歌山ではいつ降るかしらん。
次の文庫の日は2月7日です。
(芝 直子)