「まゆとりゅう」 2022年10月1日
2022年10月02日
お彼岸も過ぎて、今日から10月。
文庫から見える、庫裡の花瓶には彼岸花が活けられている。
近くの田んぼの周りも彼岸花でいっぱいだ。
とてもいい天気で暑いくらいの文庫で、和子さんとおしゃべり。
このごろ目が見えにくくて、と言われる和子さんに、
絵本を聞いてもらうことにした。
大人だって、誰かに絵本を読んでもらうのって楽しいから。
とりあえず最近買って文庫に持ち込んだ、『まんいんでんしゃ』。
子どもの絵のようにダイナミックな絵本で、絵のインパクトがすごい。
和子さんが歓声を上げながら、楽しんでくれた。
それから、ついでにおはなしを一つ聞いてもらう。
エチオピアの昔話で『むらの英雄』だ。
私はとても好きなのだが、あんまり小さい子や、
真面目な方には楽しんでもらえないかもしれない。
ナンセンスで面白いお話は、聞き手を選ぶのかも…。
和子さんに楽しんでもらえたか、不安だ。
さて、お客もいないし、一人になったところで、
先週に続いて富安陽子さんと降矢奈々さんの絵本、『まゆとりゅう』を読む。
雪解けを促す雨を降らせる、龍のお話。
大きな龍と、子どものちっちゃい龍が現れて、
やまんば母さんと娘のまゆを、それぞれの背中に乗せてくれる。
大空を飛んで、雪解けの雨を降らせる龍たちの絵の、きれいなこと。
それを見ていて、日本の絵本に出てくる龍には、翼が無いのだと再認識。
4本の、カギ爪のついた足はあるのに、西洋のお話のような翼がない。
『エルマーのぼうけん』のイメージにある龍は、かっこいい羽根を広げているのに。
日本の竜は、火も吹かないし、龍とドラゴンの違いか?
よくわからない。
それはまたじっくり考えることにして、
いただいた青いおミカンを持って、帰ります。
次の文庫の日は、10月15日です。
(芝 直子)