「ジェインの毛布」 2023年3月4日
2023年03月16日
境内の上で、梅の花が満開で、近くには椿の赤がきれいに見える。
すっかり春らしくなってきた、お客のない文庫で、和子さんとおしゃべり。
「梅と桜と合わせて見れば…って、昔の手遊び歌があったよね」と
言ってみたら、和子さんは知らないとのことで、
すぐさま歌に詳しいお友達に電話してくださった。
あいにくその方もご存じなかったらしいが、多分こんな感じ。
『梅と桜と合わせて見れば 梅の眺めはピコシャノシャンシャン
ウサギが餅食ってホーイホイ』
あれ? なぜウサギが餅食うんだろう。餅搗くんじゃないのかな。
まあそれはともかく、和子さんとおしゃべりしていたら、
和子さんが書架の『ジェインの毛布』を見て、「懐かしい」と言う。
ホントに、ずっと昔からここにあるよね。
「文庫、始まった頃からあるん違う?」
「あるよ。懐かしいね。」
アーサー・ミラー作のこの本は、幼年童話の古典で、すごく素敵な本だ。
赤ちゃんの時から使っていたピンクの毛布が、いつの間にか小さくなって、
でも、どうしてもそれが無いとダメ、という女の子。
小さい子が、毛布だったりタオルだったり、ぬいぐるみだったり、
とにかくお気に入りのものをいつも持っていないと落ち着かない事って、
普通にあると思う。
ボロボロになっても、汚れても、手放せないものを身に着けている子を見て、
「あれがあの子のジェインの毛布やね」と言い合ったりしたものだ。
うちの息子も、後生大事に汚いタオルを持っていたわ。
うーん、懐かしい。
最近そんな言い方は聞かないから、もしかしたら
スヌーピーに出てくるライナスの、青い毛布に取って代わられたか?
50年前に出た『ジェインの毛布』は、今読んでも本当に暖かい素敵な本で、
ぜひぜひ読んでほしいと、改めて思った。
さて、そろそろ花祭りの時期になったので、和子さんと相談して、
今年もお花を持って来てもらって遊ぼう、ということになった。
ただし、本来の花祭りの日は4月8日で、たまたま土曜日ではあるんだけれど、
文庫の日じゃない。
そこで早いけど、4月1日の土曜日になりました。
間違えずに4月1日に来てくださるかしら。ちょっと心配。
皆様よろしくお願いします。
次の文庫の日は、3月18日です。
(芝 直子)