「こねこのぴっち」 2023年3月18日
2023年03月20日
今年の桜は早い!
もうあちこちで山桜が開花して、山が白くなっている。
ソメイヨシノももうすぐ咲くなあ。
次回の文庫の日、4月1日は、花祭り。
もしかしたらソメイヨシノは満開で、皆さんお花見に繰り出すかしらん。
文庫にも来てくれたらいいな。
今日の文庫はお客様が無くて、一人で本を読んでいたら、
和子さんが「誰もないから、お話して」と言いながら入ってこられた。
小さい子向けのお話か、大人向けか、と思案したが、
「前に聞いた和歌山のお話、タヌキの話がもう一回聞きたい」とのこと。
ああ、『扇之芝のたぬき』ね。
あれならいつでも語れる、私にとっては特別なお話だ。
何しろ、小さい頃から父親に何度も聞いた、地元のお話だから。
扇之芝と言うのは、和歌山城の北西の角、三年坂を上がった所。
県立美術館の反対側になって、三角形の扇の形からそう呼ばれている。
昔々は、そこにタヌキが出て、悪さをしたというお話だ。
最近では誰も信じてくれないけれど、私の小さい頃にはお城の中の動物園に、
タヌキとキツネが飼育されていた。
父親からタヌキの話をしょっちゅう聞いていたものだから、
檻の中のタヌキを見て、「お前か!」と思った記憶があるもの。
和子さんにお話を聞いてもらってから、絵本の整理をしていたら、
懐かしい本を見つけた。
前回の『ジェインの毛布』と同じくらいに古くからある、
ハンス・フィッシャー作の『こねこのぴっち』。
石井桃子さんの訳で、70年くらい前に出版されたものだ。
田舎の農場に暮らす動物たちの様子と、子ネコのぴっちがとにかく可愛くて、
昔、一番上の子どもに読み聞かせてから、何度読んだかわからない。
ぴっちのきょうだいの名前が、ぱっちとか、みっちとか言うのも
娘のお気に入りだった気がする。
そういえば同じくらい古い、渡辺茂男さんの『もりのへなそうる』には、当初、
はなそうる、ひなそうる、ふなそうる…とか言う兄弟がいる設定だったとか。
脱線した。
次回4月1日は、花祭りです。
どんなお花でもいいので、何かお花を持って遊びにいらしてください。
4月8日ではないので、ごめんなさい。
次の文庫の日は、4月1日です。
(芝 直子)