「西遊後記2 芳の巻」2017年7月1日

今日のまゆーら 2017/07/04

 

今日から7月。

何か変わったことがあるかなあ、と期待したけど、反対にお客ゼロの日だった。

私は一人でゆっくり本を読んで過ごすので、別に困らないけれど、

ふと、こーんなに面白い本が一杯あるのに勿体ないなあ…と思ってしまう。

 

まあ、それも時代の流れ。

今日は斉藤洋作の『西遊後記』の2と3を読み返した。

何回読んでも面白い本で、一人でニマニマしながら読んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天竺への旅から帰って、お釈迦様に偉い来世名を頂いたというのに、

ちっとも変わらない暴れん坊の孫悟空と、周りの竜王たち、天帝や天人、

仲間たちとの日々が面白くて、これは絶対におススメ。

 

他にも今日はおススメの児童書をいろいろ持って行ったので、

誰か読んでくれると嬉しいな。

 

さて、2冊読み終わったら、ちょうど文庫を閉める時間になった。

次は何を持って行こうかな。

 

次の文庫の日は、7月15日です。

(芝 直子)

「かはたれ」2017年6月17日 

今日のまゆーら 2017/06/18

 

お寺の境内に梅が一杯干してあって、なんだかいいにおい。

梅雨にしてはお天気続きだけれど、たくさんの梅に初夏を感じる。

 

お客はりこちゃんと、ママ。それからはるちゃん。

女の子二人はレインボースネークのカードゲームをしたり、ビンゴをしたり、

なんか作りたい…と、工作材料のストックをかき回したり忙しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でも今日のところはお気に入りの材料が品切れで、ゴメン。

次には粘土やくるみボタンの材料を持って来るわね。

 

そんなわけで、暇になった二人は珍しくもドールハウスの中味を

きれいに整えてくれていた。

いつもゴチャゴチャで地震の後の部屋みたいだったのが、すっきりした。

 

いつかまた、子どもたちとドールハウスのミニチュア作りが

出来たらいいなと思ってしまった。

夏休みも近い。何か出来ないか、考えてみなくては。

 

ところで、りこちゃんのママとおしゃべりしてたら、

おうちにツバメが巣を掛けていると教えてくれた。

それもどんどん作り方の巣が増えつつあり、絶賛増量中らしい。

 

あら、いいなあ。

昔うちのガレージにも、ツバメが土を運んで来て巣を作りかけたけれど、

喜んだ主人が手伝ってやろうと、木の台を付けたら、それっきりになってしまった。

余計なことをしたもんだと、今でも残念だわ。

 

さて、肝心の本の話。

先日発行した紀北子どもの本連絡会の機関紙『紀の子』を持って行ったので、

その中のビブリオバトルのチャンプ本、『かはたれ』の紹介をしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

現代もひっそりと生きている河童の一族の子ども・八寸と、

お母さんを病気で失った少女・麻とのお話で、朽木祥さんのファンタジーだ。

 

八寸は長老の(河童猫の術)で子ネコに姿を変えているが、

月の光の中でおぼろげに河童の姿が透けて見えたり、

シャワーで河童に戻ってしまったり、ハラハラの連続。

 

私個人的には、臆病で盲導犬になり損ねた麻の飼い犬・チェスタトンが好き。

そんなにも臆病なのに、最後は勇気を振り絞って麻と八寸を助け、

八寸を背中に乗せて疾走するのだ。

ぜひみんなにも読んでもらえたらうれしいので、次回に持って行きます。

 

それと斉藤洋さんの『西遊後記』も、続きの2冊があるので、それも一緒に。

 

次の文庫の日は、7月1日です。

(芝 直子)

「ふしぎをのせたアリエル号」2017年6月3日 

今日のまゆーら 2017/06/07

 

今日は文庫にめずらしいお客様。

朝日新聞社のお若い汽車、もとい、記者の方だった。

 

最近和歌山に赴任して来られたそうで、文庫を取材に来られたとのこと。

えーっ、最近の文庫は閑古鳥が鳴いてるんだけどなあ。

 

でも今日はくるみちゃん、あいりちゃんの姉妹と、はるちゃんが来てくれた。

さっそくくるみちゃんがドールハウスを持ち出し、

そのそばでキーホルダーを作りたいと、

無理やり作ったスペースでわいわいやっている所へ取材に…!

 

子どもたちとの工作にかまけて、きちんとご挨拶も出来なかったし、

いただいたご名刺も、手がボンドだらけで受け取れない失礼の数々。

 

でもお話は藤浪さんや、はるちゃんのパパ・副住職がしてくださったから、

きっと文庫の様子は伝わったと思う。

 

ところで、今日一番大変そうだったのは、はるちゃん。

おうちでは末っ子のはるちゃんなのに、

一生懸命くるみちゃんたちのお世話をしてくれていた。

 

小さい子のやりたいことを聞いて、一緒に遊んであげていたが、

姉妹のやりたいことが別々で、あちらを立てればこちらが立たず、

写真は、ちょっぴり困ってしまったはるちゃん。

 

 

 

 

 

 

さんざん遊んで、ゆっくり本を読めなかったのが残念だったけれど、

もしかしてはるちやんのパパが読んでくださったかも。

だったら一緒に聞きたかったわ。

 

さて、『ふしぎをのせたアリエル号』は、そのはるちゃんのパパが

本棚のてっぺんの棚で見つけた、分厚い本だ。

 

 

 

 

 

 

 

リチャード・ケネディ作で、まずはその分厚さにめげそうな外観をしているが

案外読みやすくて、面白い本だ。

だれか読んでくれる子がいたらいいなあと思って、

私が勝手に置いている本。

 

「3000円もするんだ」とびっくりされたけれど、大丈夫、

ブックオフで何百円かだったから。

 

人形に心をこめて本を読み聞かせていたら、命が宿って、

人間になる、なんて素敵じゃないか。

いつか誰か、読んでくれたらうれしいな。

 

次の文庫の日は、6月17日です。

(芝 直子)

「マジック・ツリーハウス」2017年5月20日 

今日のまゆーら 2017/05/24

 

 

真夏みたいに暑くなった日。

階段に文庫の看板をぶら下げに行くだけでも、汗が出てくる。

 

この暑いのに、はるちゃんはパパを誘って自転車で来てくれたとか。

そりゃあ、遠いところをパパも大変だったことでしょう。

 

来るなり、お友だちにあげるプレゼントを作りたいから、なんかない?と。

大好きなすみっこぐらしのプラバンを作ることになり、

せっせと元のイラストを見ながら描き進めるはるちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

文庫にあったイラストがモノクロだったので、居合わせたゆっくんママが

スマホで調べてカラーの絵を見せてくれた。

 

今度はカラーの写し絵も準備しておくね。

女の子らしく、丁寧にこと細かく色を塗り、きれいに仕上げるはるちゃんに、

ゆっくんママが「さすが女子の作品や」と感心しきり。

いやいや、ゆっくんも元気で楽しい絵を描いていると思うなあ。

 

 

 

 

 

 

 

その話題のゆっくんは、最近塾の時間とかち合うようになって、

なかなか文庫に来られなくなったそうだ。

 

それで今日はママが代わりにリクエストの本を借りに来てくれた次第だ。

それはうれしい!

 

ゆっくんが読みたかったのは、メアリ・ポープ・オズボーン作の

『マジック・ツリーハウス』だった。

午前中にコミセンの図書館に行ったけれど、無かったのだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

40冊位のシリーズで、まだ続いているらしいので、

文庫にも10冊くらいしか買ってないけれど、ぜひぜひ借りてってください。

 

森の奥の不思議なツリーハウスからタイムスリップして、

兄妹がいろんな時代に冒険に行くお話だ。

 

読書や自然観察が好きなお兄ちゃんと、元気で空想好きな妹の

冒険ファンタジーで、読みやすいし挿絵も一杯。

でもどんどん続くシリーズは、どこまで買った物か、悩むのよね。

 

とりあえずゆっくんママが数冊借りて行ってくれた。

続きもまだあるので、ぜひどうぞ!!

 

次の文庫の日は、6月3日です。

(芝 直子)

「動物たちのお医者さん」2017年5月6日 

今日のまゆーら 2017/05/13

 

 

ゴールデンウィークも終盤。

お客のいない文庫で、和子さんとおしゃべりしていたら、

けんたろう君が来てくれた。

 

この前の約束を覚えていて、本を取りに来てくれたらしい。

けんたろう君の学校は土曜日もあるので、もはや連休は終わっているとの事。

それはなかなか大変だ。

 

なんでもクラスの大半が医師志望だとか。

大学の医学部かい…と、突っ込んでしまったが、

けんちゃんの志望は目下のところ獣医師さんらしい。

まあ今から決めなくても、いくらでも選択肢は広がっていくよ。

 

リクエストにこたえて家から持ってきたのは、小西秀司・佐藤貴紀共著の

小学館ジュニア文庫の『動物たちのお医者さん』という本。

大好きな飼い犬の病気を治したくて、ついに獣医さんをめざす少年の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

著者の一人、佐藤貴紀さんの実話が元になっている。

獣医さんって、なかなか辛いお仕事でもあるのだと、読んでいて思った。

 

動物が好きで、助けたいと思って獣医をめざすだけでは乗り越えられない

大変なことも描かれている。

結構真面目に獣医さんをめざす児童書だ。

 

そう言えば、去年この本を読んだ時に思い出したのが、

そっくりな題名の『動物のお医者さん』。

すんごい古い30年ほど前のコミックで、うちに全巻あるやつ。

試しに2冊、それもけんちゃんに押し売りしてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハスキー犬ブームの火付け役になった漫画で、飼い主の公輝(ハムテル)が

獣医学部に入学するところから、卒業して獣医になるところまでだが、

大学の様子や、変わり者揃いの登場人物たち、出てくる動物との日々、

そして相棒のハスキー犬のチョビ…。

 

古いから、今の獣医さんの世界とは違うかもしれないけれど

面白いことは請け合いだ。

良かったたら、うちにまだ続きがあります!

 

さて、とりあえず本は渡したし、今日のノルマは果たしたぞ。

 

次の文庫の日は、5月20日です。

(芝 直子)

「これはすいへいせん」2017年4月15日 

今日のまゆーら 2017/04/17

 

今日は花祭り。

お釈迦様がお生まれになった日のお祝いで、

誕生仏に甘茶を掛けて、お花を供える日。

 

 

 

 

 

 

 

 

初めておいでになる方もいて、小さいお子さんも何人か。

はて、読み聞かせに用意した本は、適当だったか…、

いつもドキドキする瞬間だ。

 

 

 

 

 

 

今日読んだのは、ご存じ『これはのみのぴこ』でおなじみの谷川俊太郎作で、

やっぱりどんどん文が積み重なっていく、『これはすいへいせん』だ。

 

「これはすいへいせん」に始まり、パイロットのイチローや

いじめられっこのトテカ、ドクター・ヤーモウに恋している大工さんのさんざえもん。

時を越え、国を越えて、不思議なお話が続いて行く。

 

 

でも「のみのぴこ」の方が読みやすかったなあ。

双眼鏡で水平線を覗いているきれいな表紙に惹かれて買った。

またみなさんチャレンジしてみてください。

 

甘茶を頂いた後は、自由に境内で遊ぶ。

満開の桜に因んで、用意した風船に桜のフェルトを貼りつける工作もした。

 

 

 

 

 

両面テープがなかなか剥がれなくて、イライラしながら、みんな頑張っていた。

でもなんといっても風船の宿命で、そのうち山の上でりこちゃんのが

割れたそうで、お気の毒だった。

まあ、いずれは割れるか、しぼむ定めなのよ。

 

 

その後は文庫でけんちゃんとたのしくおしゃべり。

けんちゃんにリクエストされた本は、今度持って行くわ。(忘れなければ!)

そのテーマなら、古いけど面白い漫画の本もあるんだけどなあ。

 

次回は4月29日が祭日なのでお休み。

次の文庫の日は、5月6日です。

(芝 直子)

「君の名は。」 2017年4月1日 

今日のまゆーら 2017/04/03

 

 

さてと、いきなり大ヒットアニメのタイトルをつけたのは、

公式ビジュアルガイドの表紙の、きれいな青空に惹かれたから。

 

 

 

 

 

映画を見に行かれたお土産(?)か、文庫に置いてくださっていたものだけれど、

パラパラめくってたら、みんながやって来た。

 

「工作教えて」と言うけんちゃんに、「何作りたいの?」と聞くと、

「割りばしで形を作って、紙を貼って、絵の具か色鉛筆で色を塗って、

飛ばせるロケット!」とのこと。

 

そりゃ無理だ。

でもなんだかんだ言っているうちに、けんちゃんがプリントアウトした

ロケットの画像を使って、平面だけど輪ゴムで飛ばせる工作に落ち着いた。

 

本当は風を受けるように、大きな色画用紙とかで作ったムササビを飛ばすもの。

まあ、ロケットでもおんなじかも。

 

と言う訳で、出来上がった割り箸付きロケットを、目の前にあった

『君の名は。』の素敵な青空の表紙に乗せて、写真を撮ってみた次第。

 

 

 

 

 

うん、青空を切り裂いて、一直線に宇宙へ飛び立つ所に見えなくもない。

本の使い方としては間違っていたらゴメン。

 

それで実際に飛ばした結果、この写真のは結構ちゃんと飛んだ。

でももう一つの方、と言うか、プリントは2機分あったのだけれど、

そっちはなぜか飛んでくれない。

 

縦回転、横回転しながら飛ぶから、飛翔体としては致命的かも。

どうやってもうまくいかなかったのは残念。

でもけんちゃんが、「一つでもちゃんと出来たからいい」と言ってくれた。

 

さて女の子たちは、平和的に粘土とビーズできれいなマグネット作り。

乾くまで、お寺の冷蔵庫に保管したらしい。

 

 

 

 

 

さて次回の文庫は花祭り。

前回お知らせしたように、今年はカレーではなく、お菓子を頂きます。

時間は2時から。

各自どんなお花でもいいので、お花を持って来てください。

レンゲやタンポポでもいいよ。

 

次の文庫の日は、4月15日です。

(芝 直子)

「おやゆびひめ」2017年3月18日 

今日のまゆーら 2017/03/23

 

暖かくなった境内に、チューリップの芽がたくさん顔を出している。

本堂の前の花壇にいっぱい!

 

先日みなさんが境内の草引きの作業をしてくださったおかげで、

チューリップの芽がよく見えるようになった、と和子さん。

 

 

 

 

 

 

日もよく当たって、ぐんぐんのびて、

花祭りの頃には一面のチューリップ畑になることだろう。

 

花祭りと言えば、お知らせが一つある。

日にちは4月15日だけれど、時間を2時からに変更!!

 

毎年花祭りは別名カレーパーティーと言うくらいに、

お花と白いご飯を持ち寄って、和子さんの炊いたカレーを頂いていた。

 

でも今年はカレーをやめて、お寺からのお菓子のお振舞いにするとのこと。

近年子どもさんが減って来て、カレーが残ると勿体ないので、

和子さんが決めたそうです。

ほんとだ、今日の文庫もお客はゼロだったしなあ。

 

「カレーを炊くこと自体は、毎年皆さんが材料を切ったりして

お手伝いをしてくださるのでちっとも苦ではないけれど、

やっぱり残ったら勿体ない。お菓子なら余ってもまた使い道もあるから。」

と和子さんがおっしゃっていた。 納得。

 

だから皆さん、今年の花祭りは、お花だけを持ってお集まりください。

 

さて、チューリップの芽を写真に撮っていて思い出した。

アンデルセンの名作童話の『おやゆびひめ』。

確かチューリップの花の中から生まれるのよね。

 

 

 

 

 

赤ちゃんに恵まれない女の人が、チューリップにキスしたら

中から親指ほどの女の子が現れて、胡桃の殻のベッドで育てられる。

でもヒキガエルにさらわれて、危うく息子のお嫁さんにされそうになって。

 

逃げ出してねずみ(?)にかくまわれたり、旅を続けてツバメを助けて、

最後はめでたく王子様と結ばれる…、記憶違いでなければ確かそうだった。

きれいなチューリップを見るたびに思い出すお話だ。

 

文庫にも、いもとようこさんの絵本で、あったと思う。

今度見てみよう。

15日の花祭りには、みんなが集まってくれるといいな。

 

次の文庫の日は、4月1日です。

(芝 直子)

「ぐりとぐらかるた」2017年3月4日 

今日のまゆーら 2017/03/07

 

暖かくなりました!

境内の山の上から眺めたら、もうなんだか春の気配。

で、ふと見降ろしたら、境内にあいちゃんの姿が見えてうれしくなった。

 

おっちゃんとお散歩中に、文庫の看板を見つけて上がって来てくれたらしい。

お寺の入口の階段脇に、毎回文庫の時間だけぶら下げている看板。

 

あれを見て、今日は文庫があるんだと気がついて入って来てくれたのは

あいちゃんが初めてじゃないかしら。

初めて役に立ってうれしいわ。

 

今日のお客はあいちゃんだけだったので、ひときわ!

さてそんなあいちゃんと、この前買ったレインボースネーク(へびのゲーム)で

エンドレスに遊ぶ。

 

前にはゆきや君やりこちゃんも喜んでくれたヤツ。

カルタではなく、色を合わせて長いへびを作っていく、

けっこう運頼みで年齢関係なく遊べるカードゲームだ。

最後はおっちゃんも入って、三人でワイワイ遊んだ。

 

これはカルタじゃないけれど、文庫には色んなカルタがある。

一番おススメは中川李枝子さんの『ぐりとぐらかるた』。


絵本と同じ山脇百合子さんの絵で、

『ぐりとぐら』が好きな子には、絶対おススメ。

 

リズムよく韻を踏んだ言葉は、聞いてすぐ耳に残るし、

字がわからなくても絵だけでも取れるから、

平仮名がまだおぼつかない小さい子でも大丈夫。

 

あいちゃん、また今度はカルタをしようね。

待ってまーす。

 

ところで、文庫の掛け時計が長く止まっていたのを、

よしこさんが電池交換してくれ、動くようになった。

 

電波時計なので、初めは合ってなくても、電波を受信した瞬間にパッと

正しい時間まで針が動くらしいので、興味津々でチラ見していたのに、

おしゃべりしている間に正しい時刻になっていた。

見損ねた。

 

興味津々と言えば、境内の上の畑で、金網の向こうに、

イノシシの通る獣道が出来ていると、よっこちゃんの情報。

 

えーっ、イノシシ、見てみたいと言ったら、真顔でよっこちゃんに止められた。

そのうちウリ坊連れたイノシシとかが歩いてるかも知れないぞ。

 

次の文庫の日は、3月18日です。

(芝 直子)

「天狗童子」 2017年2月18日 

今日のまゆーら 2017/02/19

 

 

少―しだけ寒さが弛んだ境内に、和子さんが野菜をたくさん干していて、

赤やら白やら、花が咲いたみたい。

一瞬、赤は干しエビに見えたんだけれど、よく見たら人参だった。

 

文庫のお客は永嶋家のおばあちゃん・お母さん・りこちゃん。

三代揃って遊びに来てくれて、りこちゃんがひたすら黙って本を読む傍らで

私たちはせっせとおしゃべりして過ごす。

 

 

 

 

 

りこちゃんは雑音にめげず、名探偵シリーズを5冊も読んでしまったそうだ。

うるさくしてごめんね。

 

ところで、今朝の新聞に、児童文学作家の訃報が二つ並んでいた。

ちいさなうさこちゃん・ミッフィーの作者、ディック・ブルーナさんと、

コロボックルなどでお馴染みの佐藤さとるさん。

 

どちらの作者の本も、文庫にはいっぱいある。

ちょっと数えたら、うさこちゃんシリーズが17冊。

佐藤さとるさんの本は7冊。

ただしどれもすごく古い本で、それだけこの二人の本は

児童文学の古典的名作だということだ。

 

アニメやゲームで育った現代の子どもたちには、

いわゆる古典的名作と言うだけでは、なかなか手にとってもらいにくい気がする。

うさこちゃんシリーズは、今も赤ちゃん絵本の定番の一つだけれど、

コロボックルはどうだろう。

 

でも最近あの有川浩さんが、佐藤さとるさんの『だれも知らない小さな国』を

元にして、『だれもが知っている小さな国』を書いている位だから、

どうだろうなあ…と、勝手にあれこれ考えながら文庫に座っていた。

 

で、そこへ来たりこちゃんたちに、佐藤さとるさんの新しい本(!)の

話をしてみた。 『天狗童子』。

笛の上手な山番の与平の元に、大天狗が子どものカラス天狗の

九郎丸を連れて来て、笛を教えてほしいと言って預けていく。

 

 

 

 

 

人間の姿になった九郎丸をいとおしい思い、

天狗の世界に返したくなくなった与平は、変身のためのカラス蓑を焼こうとする。

 

ここから物語はどんどん広がり、天狗の世界や戦国時代の国とりの話など

すごく読みごたえがあって面白い。…のだが。

 

なぜかページ数にして残り1割か2割になったころから、

一気に描写が減っていく。

尻切れトンボと言うほどではなくて、一応結末までちゃんと書いてるのだけれど、

一気にそこからは粗筋の羅列になってしまったような???

 

40年ほど前に書きかけていた作品に、最近になって手を入れて出版したとの

後書きだったが、だとしたらご高齢になって色々大変だったのかなあと

全くのシロートが勝手に偉そうに思ってしまったりもするのだ。

 

でもとにかく面白いし、誰か読んでくれるのなら文庫に持って行こう。

ホント、惜しい…とまだ偉そうに言ってしまうのだけれど。

 

私が読んだのはごく最近出版された講談社の文庫本なので、

その前に児童書の出版社から出た物の方が読みやすいかも。

 

佐藤さとる氏の御冥福をお祈り申し上げます。

オランダのブルーナさんにも、ご冥福をお祈り…っていう言葉でいいのかしら。

これって、仏教の言葉ですか?

 

なにはともあれ偉大な児童文学と絵本の先駆者お二人に、

心からのお礼を申し上げます。

子どもたちのために、たくさんの作品をありがとうございました。

 

次の文庫の日は、3月4日です。

(芝 直子)