お知らせしたとおり、今日は文庫の花まつり。
でもせっかく花御堂がきれいに飾り付けられているのに、お客はゼロ。
午前中に、長年花御堂の飾りつけをしてくださっている毛呂さんが、
娘さんやお孫さんと一緒に来てくださって、きれいになった花御堂の誕生仏様に
甘茶をかけてお参りもしてくださったそうなので、良しとしよう。
今年は副住職の宏典様の発案で、新聞にお誘いのチラシも入れたのだが、
あいにくお申し込みはなかったらしい。
コロナ禍でもあるし、それも密にならなくて良かったと思うことにする。
誕生仏様にお花を供え、甘茶をかけてお参りをした。
そのあと、結局お寺の方ばかりに私のお話を聞いてもらった。
『ネズミ経』と、『びんぼうこびと』。
『ネズミ経』は、お経なんて一つも知らないいい加減なお坊さんが、
目の前に出てきたネズミの動きをお経のように唱えて誤魔化すお話。
本職のお坊さんの前でやるのは心配だったが、
笑って、面白かったと言ってくださったので一安心。
お話のほかに、子どものお客がいたら絵本読みもしようと思って、
うちから持って行ったのが、町田尚子作の『ねこはるすばん』。
人間が出かけて行った後、家で留守番してるはずのネコ。
うちにも7匹のネコがいるので、気になって買った絵本だ。
結論。ネコがおとなしく留守番していると思うなよ。
洋服ダンスを通って、どこかの知らない町へ行き、二本足で歩くと、
カフェに行き、床屋に行き、(この床屋もネコで、舌でザリザリなめてくれる)
映画館で興奮したり、釣り堀に行ってはすぐにあきらめて、
その代わりにお寿司屋でマグロをサビ抜きで食べる、という具合だ。
まるで休日の人間みたいではないか。
そして飼い主が帰ってくる前に、洋服ダンスから家に戻って素知らぬ顔。
ただし不思議なことに、出ていく前の部屋に比べて、
後はものすごく散らかっている。何がどうなっているのだ。
間違い探しのように、ページを見比べて、おしまい。
また面白い本をみんなと一緒に読みたいね。
次の文庫の日は、4月17日です。
(芝 直子)