「たなばたものがたり」 2024年7月6日 

今日のまゆーら 2024/07/08



体温並みの猛暑の中、あお君としずくちゃんを連れて、お母さんが来てくださった。
でっかい図鑑2冊を含めて、返す本も一杯だし、
ベビーカーのしずくちゃんごと、下の駐車場から
階段を登っておいでになったのは、どんなに大変か。
来てくれてありがとう。

しばらくぶりのしずくちゃんは、また大きくなって、
今日はなんと初めてのお絵描きをしていた。
鉛筆が気に入ったらしくて、いっぱい描いている。
何の絵かな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お兄ちゃんはかくれんぼ人形でしずくちゃんをあやしたり、
借りる本を選んだりと、忙しい。
「キャラクターの本がいい」と言われたけど、
それはなかなか難しそうだ。
パムとケロのシリーズは、どうやらキャラクターの範疇らしい。

その他にあお君が見つけたのは、『たなばたものがたり』
舟橋克彦作、二俣英五郎絵の、きれいでズバリ今の絵本。
きっと保育園でも七夕飾りを作ったんだろうな。

織姫と彦星が、仕事をしないで遊んで、天帝に叱られる話だよ、と
あお君が教えてくれた。
うんうん、その通りです。
七夕の絵本は他にもあるんだけれど、これだけでいいとのこと。
この絵本の絵が、親しみやすかったようだ。

実は今日、個人的に探したい本がいっぱいあって、
文庫にあったはず…と思ったのに、無いのが結構あって、がっかりした。
10年以上前に、古い本をかなり除籍した時に、廃棄したらしい。
見る目がないなあ。
文庫の書架も限りがあるから…と、自分に言い訳する。

前回持って来た、新しいドールハウスの写真も撮ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の文庫の日は、7月20日です。
(芝 直子)

「紀州の民話」 2024年6月29日 

今日のまゆーら



ようやく先週梅雨入りしたと思ったら、

そんなに律義に毎日降らなくても…と思うほどの雨続き。

今日は幸い薄日が差したので、大きな風呂敷包みを持って来た。

 

一月ほど前に、和子さんにリクエストされた、寝室のドールハウス。

寝室の様子は写真に撮らせてもらったので、それをモデルに

手持ちの材料で頑張って作ってみたのだ。

 

元は和室だったところをフローリングにして、ベッドを二つ置いてある。

境内に面したテラスからは、お庭が見える。

天袋も含めて、襖を三か所。

もう片面は、アルミサッシの建具になっていて、

アルミの建具は初めての挑戦だった。

何とかそれらしくできて、やれやれ。

 

テラスは開閉できるようにしたが、材料不足で、

テラスのみ、そうめんの木箱で作ったものだから、

元々巻いていたビニールのベルトの跡がどうしてもくっきりと…。

 

うちでチマチマ作ったのはいいけれど、油断すると、

すぐに猫たちが来て、植木鉢やカットした木をくわえて行ったりするので、

出来立てを慌てて持って来たのだ。

 

そしたら写真を撮り忘れた。

また今度撮ってみよう。

和子さんがとても喜んでくださったので、良かった。

 

文庫は誰もお客様が無くて、和子さんとドールハウスの話をしたり、

お茶をいただいて、おしゃべり。

「もう一回あの話を聞きたい」と言ってくれた、和歌山弁の

『だんまりくらべ』を聞いてもらって、今日はお終い。

 

 

 

 

 

 

紀州の方言で語るお話、色々あって、語るのも大好き。

文庫にも『紀州の民話』があるけれど、

あれは読んで楽しむ本かなあ。

 

語るためには、もう少し自分で手直ししなければならないかも。

でないと、隔靴搔痒の感じがして気持ちが悪かったりするのは、

私自身が小さい頃に、父母の語る和歌山弁の昔話を聞いたせいだろう。

 

『だんまりくらべ』は、語るためのテキスト『子どもに聞かせる日本の昔話』から

採った話だが、やっぱり自分で和歌山弁に直している。

また、和歌山の他のお話も和子さんに聞いてもらおう!

 

次の文庫の日は、7月6日です。

(芝 直子)

「エルマーのぼうけん」 2024年6月15日 

今日のまゆーら 2024/06/18



まだ梅雨に入らないらしいが、なんだか今日はうっとうしい空模様。

文庫のお客は、りぜちゃん一人。

ドールハウスにビーズを詰めて遊んだり、カードゲームをしたり、

やりたいことが山盛りで、一緒に遊ぶ。

 

トランプのババ抜きをしたかったのに、小さいかわいい手から

手札があふれて、うまく持てなかったのは仕方ないよね。

 

文庫にあった風車を見つけて、外へ出るが、

りぜちゃんが見つけたポイントは、本堂のエアコンの室外機の前。

走り回らなくても、すごい勢いで風車が回る回る。

扇風機じゃないから、指を突っ込む心配もないし、冷たい風でいい具合だ。

 

そのあと文庫で、風車作りの工作をしてみる。

上手に材料を切って、クリアファイルの風車ができた。

もちろん室外機の前で試運転。 大成功だった。

 

さて、和子さんが来てくれたので、お話の時間。

和歌山弁の『だんまりくらべ』を聞いてもらい、

「もう一回」というりぜちゃんに、『世界で一番きれいな声』を語る。

 

これは、子ガモがネコやイヌなど他の動物の声をうらやましがって、

自分も鳴いてみようとするかわいいお話だ。

りぜちゃんも「次は何かな」と、ワクワクして聞いてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドールハウスには、親ガモと子ガモが数羽いるので、

お話の後は、カモさん親子と一緒に、ドールハウスで遊ぶ。

トントン、と親ガモがドアを叩いて、「お出かけするから、

子どもたちを預かってください」と言う、斬新なパターンだった。

面白かったね。

エルマーのぼうけん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

因みにタイトルの『エルマーのぼうけん』は、新聞で作者のガネットさんが

100歳で亡くなられたとの記事を見たから。

ガネットさんって、ご存命だったんだと、そっちに驚いてしまった。

 

お習字の上田先生も、その訃報を知って、

おうちでエルマーについて話題になったとか。

ご家族で話していたら、『エルマーのぼうけん』と、

『ニールスのふしぎな旅』と、『ヒックとドラゴン』のストーリーが

入り混じって、困ったとのこと。

 

それは大変。それで、お帰りにはその3冊を借りて帰ってもらった。

ぜひ疑問が解消されますように。

 

次の文庫の日は、6月29日です。

(芝 直子)

「すいっちょねこ」 2024年6月1日 

今日のまゆーら 2024/06/04



今日から6月。

その割にはこの何日かは変に涼しい。

せっかく飛び始めた蛍も、涼しい日にはあまり飛ばないと、佐武さんのお話だ。

毎晩どこかの蛍スポットで、集まってくる親子さんたちに

蛍を手のひらに乗せてあげているそうで、それはうらやましい。

 

蛍スポットの場所はあまり大っぴらにはしないらしいが、

毎年続けているので、お母さんにも「昔、手に乗せてもらった」と言われたとか。

なかなかすごい。

 

今日の文庫は大人ばかり。

佐武さんに、栄田さんも来てくださって、

体調がいいという和子さんと4人でおしゃべりして過ごす。

 

とはいえ、大人でも好奇心いっぱいで、和子さん以外の3人で、

栄田さんが自転車置き場の石垣で見つけたという何かの抜け殻を見に出る。

結局去年のセミの抜け殻が、石垣の隙間からのぞいていたと判明。

ついでにセミの種類や、それが雌だと教えてもらい、面白かった。

 

栄田さんが『ねこにすず』を、私が『腰折れすずめ』を語って、聞いてもらう。

今日の文庫はお話の日だわ。

すいっちょねこ

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにタイトルにした『すいっちょねこ』の絵本は、

私が来た時からテーブルにあって、おしゃべりしながらずっと気になっていた。

かの文豪、大佛次郎作の絵本で、かれこれ50年の前の本。

 

スイッチョ、つまりキリギリスに似たウマオイの事で、いい声で鳴く虫だ。

それを飲み込んでしまった子ねこのおなかから、虫の声がするという、

不思議なお話…、昔話の『鳥呑爺』を思い出してしまうわ。

絵のネコもなんだかちょっと時代を感じさせるかわいらしさで、大好きな絵本。

 

どうやら和子さんが本棚から出して、見たとのこと。

久しぶりに本棚から出てきたのを見て、うれしくなった。

 

次の文庫の日は、6月15日です。

(芝 直子)

「チャレンジ ミッケ!」 2024年5月18日 

今日のまゆーら 2024/05/20



今日の目玉は、何と言ってもこの写真!!

この間まで、寝返りもできなかったしずくちゃんが、

本棚の前に座って本を選んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うっそー、と叫びそうになった。まだ9ヵ月だよね。

お母さんによると、「かじれるものを探しているだけ」とのことだけれど、

どう見ても読みたい絵本を探しているとしか見えなくて、びっくり仰天だ。

赤ちゃんの成長はすごい。

 

あんまり可愛いので、文庫仲間のグルーブLineに送ったら、

次々に「ラブリー❤」とか、可愛いとのスタンプが来る。うれしいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お兄ちゃんのあお君は、同い年のりぜちゃんとゲームをしたり、縄跳びをしたり。

りぜちゃんはいつの間にかマンカラカラハのルールを覚えて、

あお君がタジタジになっているのがおかしかった。

佐武さんも結構引っ張りまわされて、相手をしてくださったし、

本のある遊び場、という子ども文庫の姿そのものだわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで佐武さんによると、そろそろ蛍が飛び始めるらしい。

それもあって、『蛍のふしぎ』の本をいただいた。

長いこと蛍なんて見てないなあ。

昔は冬野でもあちこちで見られるスポットがあったんだけど。

チャレンジ ミッケ!

 

 

 

 

 

 

 

 

あお君が借りて帰ったのは、ウォルター・ウィックの

『チャレンジ ミッケ!』のシリーズ。

文庫には3冊あるだけだが、これもたくさん出てる。

ポケット版まで入れると、20冊くらいかも。

同じような物探しの絵本『ウォーリーをさがせ』よりは、製本が丈夫。

「じっくり探してると、寝るのが遅くなる」とママが言っていた。

それは大変。

 

最近、物探しの本もたくさん増えたようで、ネコを探す『かくれねこ』という

絵本も、よそで見て、気になっている…。

 

次の文庫の日は、6月1日です。

(芝 直子)

「うみの100かいだてのいえ」 2024年4月20日 

今日のまゆーら 2024/04/21



今日のお客さんは、前にも一度来てくれたりぜちゃんと、それから佐武さん。

りぜちゃんはママがお習字に来ていて、その間文庫で遊んでいる。

今日はあお君がお休みだったので、うーんと年の離れた佐武さんが遊び相手だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おじちゃん、ドールハウスしよう」とか、

けっこう難しいマンカラカラハを引っ張り出して「おじちゃんとやる」とか。

マンカラカラハは、前回にはなかなか分からなくて、途中で嫌になっていたのに、何か月かですっかり数字もルールも分かってきた。

頑張ってやっていたのに、石3つの差で負けて、悔しがっていたけれど、

次に来た時には、きっと勝てるわ。

 

そんなりぜちゃんに、「本を読んであげるよ」と言ったら、

パッと本棚から出してきたのが、いわいとしお作の100かいだてシリーズの中の

『うみの100かいだてのいえ』。

うん、これは面白いよね。

うみの100かいだてのいえ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船の上から海に落ちた、お人形のテンちゃん。

服や帽子やバッグも取れてしまって、どんどん海の中に沈んでしまうのだが、

100かいだてのいえで、たくさんの生き物たちが

テンちゃんの服などを活用している。

そこで代わりのプレゼントをもらいながら、潜っていくと…。

 

エレベーターの階数表示みたいに、家についている数字をりぜちゃんが読む。

もしかしたら知ってる絵本だったのかもね。

このシリーズはたくさん出てるけど、文庫にあるのは3冊かな。

 

お習字が終わったお母さんと一緒に、りぜちゃんが帰ってから、

入ってこられた和子さんにお話を聞いてもらって、今日はお終い。

とても文庫らしい一日だった。

 

ところで、次回は5月4日が祝日になるので、文庫はお休みです。

ゴールデンウイーク中でも、カレンダーが黒字なら開けてるんだけどね。

一か月空いちゃうなあ。残念。

 

次の文庫の日は、5月18日です。

(芝 直子)

「おしゃかさまのたんじょうび」 2024年4月6日 

今日のまゆーら 2024/04/07



今日は文庫の花祭り。

本当は4月8日だけれど、毎年、文庫の日に合わせて開いている。

でも今年は桜の満開時期と重なったせいか、おいでてくださった方は少し。

そりゃあ、お花見には負けるわなあ。

 

いつものあお君兄妹と、大人の方が数人で、お勤めをして、

誕生仏様にお花を供えて、甘茶を掛ける。

その後、飛び切り甘いお茶をいただくのも、恒例だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

毎年、花御堂にお花を飾っていただくのは、毛呂さんにお世話になっている。

毎年毎年、ご自宅のお花の他、ご近所のお花もあって、すごくきれい。

お花の少ない時期にあたることもあるから、とても大変な作業だと思う。

本当にありがとうございます。

 

今年の花御堂の屋根には、桜がいっぱい混じっていてビックリした。

私は写真を撮り忘れたけれど、どなたか撮ってくださってたらいいな。

 

甘茶をいただいた後は、私のお話を聞いてもらう。

ジャマイカの昔話で、『アナンシと五』。

魔女の呪いに便乗して、ごちそうにありつこうとしたアナンシが、

最後にハトの奥さんをだまそうとして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数字に強いあお君にも分かってもらえると思って選んだお話だ。

でも本当を言うと、4月の学童でのお話会の時は、

毎年『アナンシと五』を語りたくて、今年も練習したもの。

なのに残念ながら、そっちが中止になってしまった。

でも花祭りで聞いてもらえて良かったわ。

 

佐武さんが花祭りの後で、誕生仏様のポーズについて質問されていたので、

文庫に戻ってから、絵本『おしゃかさまのたんじょうび』をお見せした。

片手を上げておられる理由、甘茶を掛ける理由などがよくわかる絵本だ。

おしゃかさまのたんじょう日

 

 

 

 

 

 

 

 

佐武さんが読んだ後、あお君が借りて帰ってくれた。

そういえばあお君は、もうすぐ200冊になるらしい。

ビックリ仰天だわ。賞状を準備しなくては。

 

次の文庫の日は、4月20日です。

(芝 直子)

「恐竜トリケラトプスのジュラ紀決戦」 2024年3月30日 

今日のまゆーら 2024/04/01



すっかり開花予想が外れた桜も、やっと開花宣言が出た。

そろそろうちの桜も開くかもしれない。

今年は入学式に合わせて満開になるつもりだな。

それもいいなあ。

 

今日来てくれたあきら君も、今年は小学校に入学だ。

お姉ちゃんはもう3年生になるのだとか。

東京から帰省するたびに、忘れずに文庫に来てくれてありがとう。

今日は文庫の始まる2時になるまで、待ちくたびれたとのこと。

 

おもちゃを一杯出してしまう前に、まずお話を聞いてねと言ったら、

「久しぶり」と喜んでくれた。

「ろうそくも点けてね」「電気も消そう」と、段取りをしてくれ、

イギリスの昔話『ミアッカどん』を聞いてもらう。

 

「怖くなんかないもん」と言っていたけれど、

どうやら息をつめて聞いていたらしく、主人公のトミーが無事だと分かって、

二人の肩が、そろってファーッと上がった。

聞いてくれてありがとう。

 

その後はもう、何でもありの大騒ぎ。

ドールハウスの中身を全部ひっくり返して積み上げたり、

お絵かきや工作、坊主めくり、ビーズ通し。

 

もちろん絵本も読む。

あきら君の大好きな黒川みつひろ作の、『恐竜トリケラトプス』のシリーズだ。

読んでと言ってくれたので、喜んで読んだわ。

はるかちゃんが、「1年生になるのだから、自分で読みなさい」と言うけれど、

いやいや、誰かに読んでもらうって、すごく楽しいんだよ。

トリケラトプスのジュラ紀決戦

 

 

 

 

 

 

 

 

あきら君が出してきたのは、トリケラトプスたちがジュラ紀クレーターに行く、

『恐竜トリケラトプスのジュラ紀決戦』と、その前の一冊。

私が間違えて「プラキオサウルス」と読むたびに、

「ブラキオサウルス」と訂正が入る。 ごめんごめん。

 

 

 

 

 

 

 

 

写真は、大きいきれいなビーズで、カチューシャを作ったはるかちゃん。

カチューシャがよく見えるように、かがんで見せてくれた。

おばあちゃんがお迎えに来るまで、いっぱい遊んで行ってくれた。

 

次回はきっと夏休みかな。

本当は来週、花祭りなんだけど、その日に東京に帰るらしい。

また遊ぼうね。

 

次の文庫の日は、4月6日です。

(芝 直子)

「ぽとんぽとんはなんのおと」 2024年3月16日 

今日のまゆーら 2024/03/17



今日は外の方が暖かくて、もういよいよ春が来た感じ。

境内であお君が縄跳びをしているのを見ていたら、日差しが熱い。

それにしてもあお君、縄跳びが上手でびっくりだわ。

もうすぐ二重跳びだってできそうだ・

 

文庫に初めて来てくれた3歳の頃は、

すぐに本堂でお習字をしているママの様子を見に行きたがったのに、

この頃はそんなこともなく…と思っていたら、

なぜか今日は「しずくちゃんを見てくる」と、本堂に行きたがる。

しずくちゃんの泣き声が気になるらしい。

お兄ちゃんだなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真は、ドングリと爪楊枝で作ったコマをバッチリ回すあお君。

静止しているように見えるのは、高速で回転してるからだ。

文庫にあった、クヌギのドングリで、コマを作ってみたのだけれど、

なかなかよく回るのが作れなくて、苦労したわ。

 

お習字が終わってからきてくれたしずくちゃんは、

なんと寝返りができるようになっていた。

この前は仰向きに寝て、アブアブ言ってただけだったのに!

 

しかも両腕を突っ張って、上体を反らしている。

「腕の力が強いんやねえ」と言おうとして、思わず

「前足の力が強いんや」と口走ってしまった。

慌てて言い直すが、ネコじゃあるまいし、ごめんなさい。

ぼとんぼとんはなんのおと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、春の気配と、しずくちゃんで、クマの赤ちゃんが出てくる絵本、

『ぽとんぽとんはなんのおと』を思い出した。

神沢利子作の素敵な絵本で、冬ごもりの穴の中で生まれた双子の坊やが、

春になって穴から出てくるまでの、お母さんクマとのやり取り。

じんわり、あたたかい気持ちになる素敵な絵本だ。

 

しまった、この本ならお話で語れるのに。

押し売りで聞いてもらったら良かったなあ。

また今度ね、って、早春のお話だった。遅いかなあ。

 

ところで4月6日の文庫の日は、花祭りです。

お花を持ってきてくださいね。

 

次の文庫の日は、3月30日です。

(芝 直子)

「ベロ出しチョンマ」 2024年3月2日

今日のまゆーら 2024/03/03



ベロ出しチョンマ

 

 

 

 

 

 

『ベロ出しチョンマ』は、斎藤隆介作の童話集。

おいでになった佐武さんが、前に『モチモチの木』を栃の木がらみで紹介したので、

「モチモチの木って、ベロ出しチョンマと同じ作者なんですね。気がつかなかった」と言われたのだ。

確かにそうだけど、文庫には無いですねぇとお返事。

 

どちらかと言えば大人向けの童話集なので、

単独では『ベロ出しチョンマ』は、絵本になっていないと思う。

一緒に入っている『モチモチの木』や『八郎』や、『花咲き山』は、

滝平次郎さんの美しい切り絵のままで、絵本になっているのだけれどなあ。

 

正直に言うと、子どもが残酷な目に合うお話は、個人的に苦手だ。

3歳の子どもも含めて、一家全員が磔になって死ぬなんて怖すぎる。

一貫してこの童話集のテーマが、自己犠牲とか、献身とか、

そういう方面であることも、苦手な一因かもしれない。

私が、いたってちゃらんぽらんな人間なもので。

 

なのに、なんだか今日の文庫はそっち方面に流れていく。

和子さんから、満州から引き揚げた頃の凄惨なお話を聞いたし、

佐武さんも詳しくて、絶妙な相槌を打ってくださるし。

最近の世界情勢を鑑みても、目を背けてはならない貴重な体験談。

 

そもそもが私が今日のお話に選んだ、『きんぷくりんとかんぷくりん』が

いけなかったのかも。

和歌山の民話で、でたらめに魚の名前を言って、褒美の5両をせしめた男が、

代官にばれて、「打ち首じゃ」と言われる話。

機転を利かせて代官を煙に巻くのだか、子どもの前では語りにくい。

そもそも代官を知らんしなあ。「だいこん?」って言われたし。

イカが干したらスルメになるのも、多分小さい子では分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

打ち首と、戦争体験と、ベロ出しチョンマで終わった文庫の日でした。

写真は明日のひな祭りに合わせて、飾ってみたドールハウスです。

 

次の文庫の日は、3月16日です。

(芝 直子)