「もりのへなそうる」 2021年4月17日
2021年04月20日
冷たい雨ふりの一日で、文庫で本を読んでいたら、
和子さんが本堂のお習字の会を見に行こうと、誘ってくださった。
恐る恐る覗いてみたら、皆さん真剣にお稽古中。
今日は色紙に一文字を書くとのこと。
和子さんが頑張って「冴」という字を繰り返しておられるのを、見学する。
本堂に、ピーンと緊張した空気があって、いいなあと思ってしまう。
「芝さんも書かへん?」 「いやいや!」 と、全力でご辞退。
文庫に戻って、探し物。
渡辺茂男作の『もりのへなそうる』だ。
たまたま依頼されて、一昨年開かれた講演会のテープ起こしをしているのだが、
それが、渡辺茂男さんの息子、渡辺鉄太さんの講演会。
テーマは「へなそうるのいる森」。
お父さんと、へなそうる他の作品にまつわるお話だった。
私は出席しなかったが、因みにこの日は台風直撃の日で、大変だったそうだ。
テープ起こしならぬ、CD起こし(?)で、
昔読んだ『もりのへなそうる』を懐かしく思い出しながら作業。
5歳のてつたくんと、3歳のみつやくんの兄弟が、
近くの森で不思議な卵を見つけて、翌日には卵から孵ったらしい竜に出会う。
お兄ちゃんの言葉を真似しては、舌っ足らずの言葉になるみつやくん。
みつやくんの言葉をそっくり真似する、竜のへなそうる。
講演では、このお話に出てくる、てつたくんは、
息子である鉄太氏本人がモデルであるとか、でも実際は違うとか、
竜のへなそうる、は、当初の原稿では、4頭で、名前がはなそうる、ひなそうる、
ふなそうる、へなそうる、だったとかが、語られていて面白かった。
CDなので固有名詞が聞き取りにくく、もう一度文庫で『もりのへなそうる』を
探したのだが、見当たらない。
そういえばしばらく見てないなあ。
念のため台帳を調べたら、この前の書架点検では無くなっていたことが分かった。
あら残念。ずっと前に紛失していたようだ。
いい本なんだけど、新しく入れても、今みたいにお客がないなら…。
どうしたものかと思案してしまった。
次の文庫の日は5月1日です。
(芝 直子)