雲城山正教寺 お知らせ

  写経表具の進捗ご報告

2020年12月08日

 

お世話になっております

12月もあと3週間とちょっとです。いかがおすごしでしょうか。


写経の奉賛は地元でも多数のお申込みがあり、おかげ様で180名の方の

お名前を写経巻末に揮毫させていだける運びとなりました。

揮毫を完了し表具師さんとの打ち合わせが済んだと

書家の上田大愚さんからレポートが送られてきましたのでご報告します。

 

普段表具という作業に触れることがありませんでしたので

職人技の世界を興味深く読みました。

以下上田大愚さんのレポートです。

 

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28日土曜日に、表具師さんと打ち合わせをしてきました。

表具店は、和歌山市葵町にある「真清堂」(しんせいどう)さんです。
和歌山では数少ない美術表装を取り扱うお店です。

今回は、阿弥陀経巻末部分、「願文」「施主一覧」「関係者一覧」を持参し装丁などを打ち合わせしました。

阿弥陀経本文は写経用紙5枚ですが、施主さまが予想以上に増え180名を超えたので巻末部分だけで写経用紙9枚分にもなりました
本文より長いことになり、表具師さんも驚いておられました。有難いことです。

阿弥陀経の巻末部分と願文部分を重ねて、張り合わせをシミュレーションします。

 



その後、覆輪(ふくりん:巻物の上下の縁を和紙で細く覆うように縁取りすること)に使う和紙の色合わせを行いました。巻物に使う裂地(きれぢ:布のこと)や軸飾りなどは前回決めているので、その色味に合わせてご提案頂いたもののなかから、相談して決定しました。どんな色になるかは仕上がりをお楽しみください。

巻物の表面には「題箋」というお経の名前を書いた紙を貼り付けますが、その紙を準備していただきました。

 

 

手早い作業で1枚の厚い紙を「スライス」して薄い紙にしていきます。この技があることは知っていましたが、実際に表具師さんが作業しているのを見るのは初めてのことだったので、思わず写真をとってしまいました。
作業している黒マスクのイケメンが、今回この仕事を請け負って頂いた真清堂の表具師、小澤広起(おざわひろき)さん。皇室の方の御作品や文化財級の書画の表装も手掛ける神戸の名店、原汲古堂さんで長年修行を積まれ、一人前と認められ和歌山に戻って活躍しておられます。

桐箱などの打ち合わせも終えたあと、追加で依頼した「阿弥陀経」の掛軸の進捗状況も教えていただきました。
ちょうど、「総裏打ち」といって本紙・裂をすべて組み立て、全体に裏打ちをした状態で板張りして「ねかせて」いるので、今なら見れますよ、とおっしゃるので
お言葉に甘えて見せていただくことにしました。普通、職人さんは仕事途中のものはあまり公開されないものですが、特別に写真撮影まで許可していただきました。
「はい、これです」と出してきていただいたのをみて思わず「うわー!」っと声をあげてしまいました。何とも言えず上品な色の取り合わせ、決してギラギラした光沢ではなく落ち着いた輝きのある裂が荘厳さをかもしだしています。控えめながらなんとも言えない迫力に圧倒されました。これが自分の作品とは・・・
馬子にも衣裳という言葉は、この作品のためにあるのだなあと思ったり・・・

この後は、風帯(ふうたい:掛軸の上部から2本ぶら下がっているひものようなもの)などの飾りや、軸棒などを取り付けて完成になるそうですが、実はこの張り付けた状態でも軸が湿気を吸ったり吐いたりしているらしく、まだあとしばらくはこのまま置いて安定させるのだそうです。貴重な話をたくさんきかせていただいて、とても勉強になりました。

こちらの軸は、早ければ年内に完成できるとか。とても楽しみです

巻物の方は、ばらばらに書いた用紙を一本につなぐ「継ぎ」の作業はすでに終え、次の段階「裏打ち」に入っていかれるそうです。
また進捗をお伝えできればと思います。

 

大愚拝

上田大愚さん紹介
http://syoukyouji.com/library/

浄土三部経
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%84%E5%9C%9F%E4%B8%89%E9%83%A8%E7%B5%8C