みかんごろごろ

今日のまゆーら 2009/03/21

『みかんごろごろ』とは、まゆーら文庫がかつて長年発行していた文集のタイトル。

文庫のまわりのミカン畑には木から落ちたミカンがごろごろしていたので、このタイトルになったもの。

当時は子どもがたくさん集まり、お話コンクールをしたり、作文を書いたりしたものを年に一回、文集にしていたのだ。

最初はガリ版で、それから和文タイプになり、ワープロになったのだが、それに全部可愛いカットを描いてくれていたのが、文庫のOBのえみちゃん。

文庫に来る子が減って、文集の発行も十数年前に途切れたが、今日は久々に20年前の『みかんごろごろ』を取り出す機会があった。

と言うのも、今日は私の誕生会をしてくれる、と、お母さん方がお手製のお菓子を持ち寄ってパーティーを開いてくださったから。

(何歳だ? とたずねられるたびに、「ネコ歳11歳」と答えている私…。 一説によると、猫は生後1年で人間の17歳相当になり、以後1年ごとに4歳分増えるらしい!)

そのパーティに、えみちゃんが3年生のあすなちゃんと一緒に顔を出してくれたので、『みかんごろごろ』の登場となったわけ。

「見て見て、お母さんは天才だ」

などと言いつつ、実はえみちゃんの顔を見た瞬間、救世主に出会った、と思った!

文庫連絡会の新聞に乗せるために、どうしてもただき君の写真をイラストにしたいのに、自分では描けず、悪戦苦闘していたからだ。

快く引き受けて、文庫でスラスラと2バージョンも描いてくれたえみちゃんに大感激!

お母さん方のおいしいケーキやデザートを一杯ごちそうになり、久々に文庫も満員で、いやぁ、今日は本当に文庫に行って良かった!!

調子に乗って、パーティーの後、境内で紙飛行機競争をしていたら、一機が屋根に乗ってしまった。

そのまま忘れて帰って来た…。 ごめんなさい。

次の文庫の日は、4月4日です。
  (芝 直子)

もこ もこもこ

今日のまゆーら 2009/03/07

今日の文庫のスペシャルゲストは、かわいいワンちゃん。
ただき君とあいかちゃんちのワンこだ。

「なんて名前?」
「もこもこもこのもこ。」

なるほどモコモコの毛をしたトイプードルの子で、まるでぬいぐるみみたい。

「あー、これやな?」と、本棚から谷川俊太郎作・元永定正絵の『もこ もこもこ』を出して、もこに見せてみたけど、反応なし。

そりゃそうだ。残念。
もこに読み聞かせしてみたかったが、今日は文庫のドールハウス教室なので、あきらめる。

で、一生懸命やった甲斐あって、ただき君とあいかちゃんが、一回で兜飾りのミニチュアフレームを完成させた。

小さいベルを土台に、フェルトや厚紙で作る兜は、結構それらしく見える。

大河ドラマの主人公の兜は、前立てに漢字の『愛』の字が付いているが、ただき君の兜はスパンコールの大きな星。
なかなか斬新な兜だ。

その間も、前の木につながれたもこがワンワン鳴くので、あいかちゃんはしょっちゅう「もこ見てくる」と、手を止めて遊んでやっている。

大根畑に潜って、せっかくのモコモコの毛が汚れてしまったもこ。 帰ったらお風呂かな。

ところで、いっと君ママの妙ちゃんに、無事、女の子が誕生したそうだ。

おめでとう! おめでとう!
この世で一番素晴らしい出来事だと思うよ。

いっと君に「赤ちゃんの名前、決まった?」と聞いたら、
「まだ。でもいっとは『ゆき』って呼んでる。」

「君だけが呼んでるの?」
「ゆきって、ハイジに出てくるヤギ。」

…ますます分からん。

とりあえず、いっと君に「ママによろしく。ゆきちゃんにもよろしく」と帰りのあいさつをした。

次の文庫の日は、3月21日です。
  (芝 直子)

ゲド戦記

今日のまゆーら 2009/02/07

今日の文庫は久しぶりに子どもも大人もいっぱいで、大入り満員。

いつものみきちゃんらに加えて、前田さん兄妹が久しぶりに来てくれた。

で、6年生のただき君が、一番上の本棚から本を…!
ル・グウィンの『ゲド戦記Ⅰ 影との戦い』!!

一番上の棚なんて、私以外、過去も未来も誰も読まないかと思っていたので、大感激して、写真を写す。

ただき君はC・S・ルイスの『ナルニア国物語 ライオンと魔女』も一緒に借りてくれた。 うわーお。

待てよ。

『ゲド戦記』を借りた子なんて、まゆーらではいない…、と思ったが、今これを書いていて、ふと思った。

大昔(?)誰か借りた子がいた。

もしかしてただき君のお父さんだったかも。
それともお父さんのお友だちだったか、兄弟だったか。
よく考えるとすごいことだわ。

前回から作っていた、みきちゃんのミニチュアフレームが完成。ウエディングドレスと花束などのかわいいのが出来たので、写真を写す。

ネックレスのビーズは、みきちゃんが一つずつちっちゃい指で糸に通したものだ。

ただき君の妹のあいかちゃんも、文庫に飾っているミニチュアに挑戦したいとの事で、三月から久しぶりに文庫でドールハウス教室を始めることになった。

まずは端午の節句のフレーム、かぶと飾りを作ることにした。

でもきっと三月になれば、今臨月の樹人君ママの妙ちゃんに赤ちゃんが生まれてるだろうなあ。

そのうち赤ちゃんを連れて来られるようになるまで、みきちゃんやあいかちゃんとミニチュアを作って遊んでるわね。

ちなみにドールハウス作りがなぜ三月からかと言うと、次回の2月21日は、私が文庫をサボるから。

仕事よりも優先する(!)、宝塚観劇の日なのです。

いつもは日曜日にしていたのに、今回はどうしても土曜日しか取れなかったので、ごめんね。ムフフ。

と言うわけで、次回の『今日のまゆーら』は、3月7日に書きます。

次の文庫の日は、2月21日です。
  (芝 直子)

ちょっとだけ

今日のまゆーら 2009/01/31

今日新しく持っていったのは、末崎茂樹の『こねずみチッチのひとりでおつかい』と、瀧村有子作・鈴木永子絵の『ちょっとだけ』、それにかがくいひろしのだるまさんシリーズ『だるまさんと』。

『だるまさんと』を持って行ったら、たまたまシリーズのもう一冊の『だるまさんの』も、みきちゃんがお家から持って来ていて、一緒に見せてもらった。

見れば見るほどハマる絵本だ。
裏表紙の、キモカワイイだるまネコが…。
ううう。

『ちょっとだけ』は、うまれた赤ちゃんの世話に忙しいお母さんを見て、自分のことはなんでもちょっとだけやってみるお姉ちゃんの話。

甘えたいけどがんばっている女の子が健気で、お母さんじゃなくても、ヨシヨシって抱きしめたくなる。

学童保育の教室にも、お母さんがインフルエンザで何日も寝込んでいるという女の子がいる。

たまたま昨日、ちょっとしたことで、強い口調でその子を叱ってしまった。

そしたらトイレに閉じこもって泣いている、と!!

仰天して飛んでいって、抱っこしていろいろお話をしたら、しゃくり上げながら、お母さんのお熱が続いていることや、お父さんが弟や自分の送り迎えをして、それでお迎えが遅くなる、などとお話ししてくれた。

お父さんのお手伝いをして、ジャガイモを切ってカレーを作ったとか。

お母さんのことも心配だし、きっと健気に頑張っていたのだと思う。いろいろ我慢して、気持が張り詰めていたのに気付かず、本当にかわいそうな事をしてしまった。大反省。

写真は、やっと完成した樹人君ママ・妙ちゃんの、結婚式記念のミニチュアフレーム。

なかなか立派な作品になった。

その後、作りたくてたまらないみきちゃんのために、もうひとつウエディングドレスのミニチュアを制作する事にした。

すっかりドールハウスの腕を上げた妙ちゃんに、みきちゃんの作品作りの応援を下請けに出す。
ワタシの助手が出来た!

元気にピースしてくれたそうたアニキのお父さんも、インフルエンザだとのこと!

皆様どうぞお気をつけて。

次の文庫の日は、2月7日です。
  (芝 直子)

よもぎだんご

今日のまゆーら 2009/01/17

新年最初の文庫の日。
そろそろお正月でもないのだが、一応「あけましておめでとう」の言葉が飛び交う。

樹人君たちいつもの男の子がお休みで、樹人君のお母さんだけが作りかけのミニチュアを仕上げに来てくれた。

そこへお母さんに連れられたみきちゃん登場。
しばらくすると、妹のりこちゃんをベビーカーに乗せてお父さんが。

更に別の要件でお寺を訪れたのが、みきちゃんのおばあちゃん。今日の文庫はみきちゃん一家だ!

この前には這い這いだったりこちゃんもしっかり歩いて、一時もじっとしないで手当たり次第に絵本を取り出して見てくれる。すごいなあ。

ところで今日一番先に読んだのは、さとうわきこ作の『よもぎだんご』。

実は先日、私の勤めている学童保育の教室で、おやつに三色団子を出したら、緑の団子がひどく不評…。

着色料じゃない本当のヨモギだったのが、「にがい」「まずい」と言うことらしい。

「それはヨモギっていう草で…」と言ったら、
「草?! オエーッ」

この子らにヨモギの説明をしたくて思いついたのが、さとうわきこ作 福音館書店の はじめてであうかがく絵本『よもぎだんご』。

確かまゆーらには無かったので、文庫仲間の『かいがら文庫』の宮永さんに聞いてみた。

「あいにく見当たらないので、探すついでにあちこちの図書館にも聞いてみたけど、なかったわ」とのお返事が。

それが今日文庫に来て、思いついて、頂き物の福音館の月刊誌ばかりを置いている棚を探したら、出てきた!

宮永さんごめんね!!
あはは…と笑ってごまかそう。

みきちゃんと一緒に読みながら、最後のページのばばばあちゃんは、いったい何歳の誕生日なんだろうと考えてしまった。

次の文庫の日は、1月31日です。
  (芝 直子)

14ひきのもちつき

今日のまゆーら 2008/12/20

年内最後の文庫の日。

もうすぐお正月だ!と言うことで、いわむらかずお作の
「14ひきのもちつき」を読んでみた。

14匹のねずみたちは、わらの座布団の上に臼を置いて、みんなで交代におもちつき。

とっくんはお父さんに抱えてもらって、ちゃんと一人前におもちつきをしている。
うーん、ここのおもちは切りもちだな。

そしたら、「もう幼稚園でおもちつきした」とみきちゃん。
早っ・・・。 まだクリスマス前だぞ。

「14ひきのシリーズ」は、私にとって特別の思い入れのある本だ。

趣味のドールハウス作りが高じて、このシリーズに出てくる木の中のねずみの家がどうしても作りたくなり、1年がかりでそっくりに作ったのだ。

かまどのある台所、とっくんのおねしょ布団が干してある二階、温かい湯気の匂いがしそうなお風呂場。

「もちつき」の本は、ほとんどが戸外でおもちつきをしている場面で、ワタシ的にはちょっぴり物足りなかったけれど…。

ドールハウスと言えば、今日は樹人君のお母さんの妙ちゃんが、前からやりかけていた、自身の結婚式の思い出のミニチュアフレーム作りを再開。

ホントの記念写真が入った額と、2センチ程のブーケを作っていたら、みきちゃんが興味しんしんで見ている。

みきちゃんの工作にはちょっと無理だけど、そのうち作れそうなものを考えようね。

「みきちゃんもいつかはお嫁にいくんやね」
「お母さん、きっと泣くわ」

妙ちゃんと二人、将来みきちゃんがお嫁に行く時は必ず見に行こうね、と約束した。

「来年もよいお年を」と、さすが6年生のそうたアニキが言ってくれて、文庫はおしまい。

また来年も面白い本にいっぱい巡り合えますように。
みんなで楽しく遊べますように。

次の文庫の日は、1月17日です。
  (芝 直子)

クリーナーおばさんとカミナリおばさん

今日のまゆーら 2008/12/06

いつものメンバーで、プラスチックのしおり作り。
オープンに入れたら縮むプラパンではなく、コンビニ弁当やスーパーの食品トレーのふたになっているプラスチックが材料だ。

それを切って、好きな絵本の絵に乗せて、黒のマーカーで写し絵。それからひっくり返して、着色するのがミソ。

あとは形を整えてパンチで穴をあけ、リボンを付けるだけだ。これが材料のお粗末さの割に、きれいな作品になる。

好きな絵本を写して、バーバパパの家族をどっさり作ったのはみきちゃん。

樹人君とそうたアニキは、恐竜絵巻絵本や動物園絵巻絵本を写していたが、そのうちに「ポケモンを描きたいなあ」

で、この寒いのにそうた君が家までポケモンの本を取りに帰ってくれた。

『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール 公式全国大図鑑』 厚さ5センチはありそうなすごい本だ。

うーむ、初めて見た。いくらするのだろうと、奥付を引っくり返してみたが、定価は不明。 欲しいなあ!

それで一杯ポケモンをしおりに作りながら、樹人君が急に「ねえ、おばちゃん。こわれた電気製品が動き出す絵本、あったよね。」

むむむ…。記憶がない。
「どんな本やった? 文庫にあった?」

「ごみ島にいっぱい捨てられてる電気製品に、雷が落ちて、動き出すやつ。お母さんにずっと前に読んでもらったんよ。」

いろいろ内容を説明してくれるのを聞いているうちに、だんだんそんな本もあったような気がしてきた。

よし、一冊ずつ探すわ、と本棚に這いつくばって探していて、ついに発見。

西内みなみ作の『クリーナおばさんとカミナリおばさん』
福音館書店だった。

まだまだ使えるのに、ゴミの島に捨てられた掃除機のクリーナおばさんや、他の電気製品に雷が落ちて、バチバチ・ブーン・ビーンと、ゴミの島が光り始める。

樹人君の言ったとおりだったが、ポケモンを塗ってて、どうしてこの本を連想したのだろう???

文庫の本なのに、全然思い出せなかったのは情けない、と思いながら読み聞かせをしてみたら、みきちゃんが借りて帰ってくれた。 良かった。

次の文庫の日は、12月20日です。年内最終だ!
  (芝 直子)

だんまりこおろぎ

今日のまゆーら 2008/11/29

今日のお客は、そうたアニキとみきちゃん、樹人君。

樹人君が何か変わった工作をしようと言ったので、紙コップから紙吹雪が飛び出すという、はた迷惑な作品を作ってみた。

当然、お寺の庭に降った紙吹雪を拾う羽目になり、拾った紙吹雪を、懲りずにコップに戻して、文庫の中でやってみたら、今度は土混じりの紙吹雪…。

庭の土も拾ったのは誰だ。

あきらめて、その紙コップをハサミで切り、2個を合体させて色を塗り、ブーメランに変身させた。

縦に投げたり、斜め下に投げたり、いろんな飛ばし方で、いろんな面白い飛び方をする。
宙返り、急上昇、どこへ行くか予測不能だ。

ドラム缶を的にして、的当てもやってみたが、それはちょっと無茶…。

ところでそうた君は、ブーメランにひたすらこだわりの絵を描き続けて、なかなか完成しない。(写真)

そして、いざ出来たのを飛ばす段になると、ふんわりとチョウチョのように優しく飛ばしていた。いいなあ。

さんざん遊んだあと、借りて帰る本を探すみきちゃんが選んだのは、エリック・カールの『だんまりこおろぎ』など5冊。

うーん、昔は最後のページを開くと、音が出たものだが。
とっくに壊れて、鳴かないコオロギだ。

ところでその本を見て、樹人君のお母さん・妙ちゃんが教えてくれた。

何年か前、『だんまりこおろぎ』の人形劇を見に行って、そこで偶然そうた君のお母さんと再会し、それがきっかけで文庫に誘ったのだとか。

そうた君が文庫に来てくれるようになったきっかけは、『だんまりこおろぎ』だったのだ!!

次の文庫の日は、12月6日です。
  (芝 直子)

実物大恐竜図鑑

今日のまゆーら 2008/11/15

今日のお客は、内観に来ているお母さんについて来て、お寺に滞在中のたかふみ君と、いつも来てくれる樹人君。

幼稚園児のたかふみ君は、文庫の部屋で既に何日かを過ごしていたとのことで、「オレ、この本好き」と、この前買ったばかりのデヴィット・ベルゲンの『実物大恐竜図鑑』を教えてくれた。

まだ字が読めなくても、この迫力なら引き込まれるよね。

そう言えば、私が勤めている学童保育の教室でも、この本の恐竜の口のページを床に拡げて腹這いになり、「喰われた!」と叫ぶ子がいる…。

それから何か工作をしようと、絵変わりカードを作りかけたが、描く画材を探しているうちに、いろいろ興味が移って、なかなか捗らない。

ぜひとも仕上げなくてはいけない理由もないし、なんだかんだと遊んでいるところへ、思わぬお客が!

おばあちゃんの往診に来て下さった、歯医者さん!

文庫の隣の部屋が、にわかに歯医者さんの診察室になったものだから、さあ大変。

ビィ~ン…というあの音も、診察台にいるのが自分でなければOKさ!

と言うわけで、歯医者さんを取り囲んで、たかふみ君と樹人君がその手元を覗き込む。

きっと歯医者さんは、ここに往診に来るのは土曜日以外にしようと思ったに違いない。

ところで、「芝さんの単車、分からなかったので、文庫ないのかと思ったけど、看板が出てたので良かったわ」

と、樹人君のお母さんの妙ちゃんに言っていただいた文庫の看板を写してみた。

晴れの日用と、雨の日用です。

次の文庫の日は、11月29日です。
  (芝 直子)

ブルドーザのガンバ

今日のまゆーら 2008/11/01

今日の文庫は、途中までみきちゃんとみきちゃんのお母さんだけで、のんびり折り紙をする。

今日たくさん作ったのは、《鶴がついたお手紙》
一枚の紙で、手紙を書く部分と折り鶴がつながったまま折れるもの。

鶴の折り方を知らないというみきちゃんだったけれど、いくつもチャレンジしているうちに上手にできた!
両面折り紙を使ったら、とてもきれいだ。

出来たのを並べて記念撮影してから、幼稚園のお友だちに手紙を書くの、と言って、いっぱいカバンに詰め込んでいた。

そこへやって来たのが、そうたアニキ。
わき目もふらず、本棚から取り出した絵本に見入っている。
バージニア・リー・バートンの『せいめいのれきし』だ。

「ルネッサンスってさぁ…」などと言いながら読んでいるのを見ているうちに、何だか感動してきた。

そうた君、もう6年生だもんなぁ。
小さいころは乗り物の絵本が好きで、くまたくんのシリーズや、レンスキーのちいさいじどうしゃシリーズに夢中だったのに!

思わず本人にそう言ったら、ニヤッと笑って「うん。」
そして本棚から、つるみまさおの『ブルドーザのガンバ』を取り出した。

「これ、好きやったわ」 なるほど。
「これ、最後に壊れてしまうんや」

そうだっけ。私もずっと昔に読んだはずなのに覚えていなくて、あわてて見せてもらった。

ああ、そうだったね。
救急車を通らせるために最後の力を振り絞って…。

みきちゃんに「これ、読もうか?」と聞いたけど、チラッと見て無言で折り紙に戻る。ブルドーザーには興味ないらしい。

その側で、一人じっくり読み返した。
なんだか胸が熱くなった。

次の文庫の日は、11月15日です。
  (芝 直子)