「ねずみのなるき」 2021年10月2日 

今日のまゆーら 2021/10/17



『ねずみのなるき』

さとうわきこ作の、20年くらい前に出た絵本。

今日まゆーらに遊びに来てくださったお客様が、絵本に詳しい方だったので、

私も一緒に本棚をのぞいていて、見つけた本だ。

ねずみのなるき

 

 

 

 

 

 

 

ネコに捕まって食べられそうになったネズミが、逃がしてもらう代わりに、

一粒の種を差し出す。

ネズミのなる木の種だというのだが…。

 

ネズミが鈴なりに実ると信じて、嵐にも、実を狙う鳥にも負けずにネコは奮闘する。

たった一つになってしまった実を、一生懸命世話して、巨大な実ができた。

さあ、中にはネズミがぎっしり詰まっているはずだ。

マサカの結末はぜひ絵本を見てほしい。

 

一生懸命育てていて、実は思惑とは違ったモノを育てていた、という実例を

最近見たばかりなのだ。

飼育ケースに入っていたのは、少しの○○、そう思っていたのに、

止まり木の裏で××が大繁殖していた。

ゾワー…、思い出すのはもうやめよう。

 

さて、文庫に来てくださったのは、以前内原にあった「かいがら文庫」の

お手伝いをされていた、栄田さん。

かいがら文庫は、残念なことに代表の宮永さんが亡くなられて、閉まっている。

とっても素敵な文庫で、良い本もどっさりあった。

地区の子どもたちにも愛されて、前の道路では子どもがいっぱい遊んでいた。

 

まゆーら文庫も前から気になっていて、と、おっしゃる栄田さんは、

さすがに絵本に慣れていて、本棚から次々に絵本を出しては読んでおられる。

その選択眼がすごい。

 

帰り際、せっかく来たのだからと、お話を一つ語ってくれた。

栄田さんは私と同じくお話の会『語りの森』の大先輩でもあるので。

お話は『きつね女房』。

田んぼに稲が実り、あちこちで稲刈りが始まっている、

この季節ならではのお話だった。

 

返す返すも残念だったのは、今日も文庫にお客が無くて、

せっかくのお話を聞いてくれる子どもがいなかったこと。

栄田さん、どうもありがとう。ぜひまた来てください。

 

次の文庫の日は、10月16日です。

(芝 直子)

「みんなのSDGs 未来を変えるメッセージ」 2021年9月18日 

今日のまゆーら 2021/09/25



台風14号が東進して、和歌山を直撃するとの予報が出た日。

これはアカンと、前日から文庫の休庫を決めてしまった。

ところが台風は前夜に通り過ぎて、幸い和歌山市内にはたいした被害もなく、

やっぱり文庫を開くことにした。

 

開いてもお客はないとは思ったが、和子さんからのお電話で

伊藤忠商事から、寄贈図書が1冊届いているとの事だったので見に行ったのだ。

みんなのSDGs

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが『みんなのSDGs 未来を変えるメッセージ』という絵本だった。

わざわざ文庫の近況を訪ねるお電話もくださったそうで、なんとご丁寧な事!

 

確かに昨今SDGsという言葉はよく耳にするが、説明しろと言われると

私も自信はない。

この絵本は、そんな大人も含めて、子ども向けにやさしく説明してくれている。

自分で読むなら小学校中学年くらいからか。

 

伊藤忠にお礼状を書いて、よし、読んでお勉強と、読みかけたら

なんとなんと、1年半ぶりに珍しいお客さんが来てくれた。

 

6年生になったというののかちゃんだ。

ずっと借りてたと、本を返してくれて、またいろいろと書架を物色し、

何冊か借りてくれた。うん、返すのはまた1年後でもいいからね。

 

思うに、きっと台風で塾が休みになったに違いない。

つくづく、文庫を閉めてなくて良かったと感激した・

さっさと通り過ぎてくれた台風のおかげだわ。

 

和子さんと、やっぱり今日は開けることにして良かったと喜び合ってしまった。

お客がいなくても、誰かが急に行こうと思いった時のために、

出来るだけ開けていようと決めたのは間違っていなかったと二人で再確認。

 

さて、せっかく来てくれたののかちゃんに、ののかちゃんのいない間に

おばちゃんはお話の語りを始めたんよ、と、お話の押し売りをする。

 

とっさに語っても間違えない和歌山市の昔話、『扇之芝のたぬき』と、

覚えたてで自信のあった『ねこが、ごはんのあとで顔をあらうわけ』。

ろうそくをつけると言ったら、「怪談?」と聞かれたけれど、いやいや。

聞いてくれてありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真はドールハウスの床の間のススキを見て、「秋の七草や」と言って、

すらすらと「萩、尾花、葛、撫子、女郎花、藤袴、桔梗」と唱えてくれたところ。

 

 

 

 

 

 

 

また遊びに来てくれたらいいな。

そうそう台風で塾は休みにならないか。

しまった、ののかちゃんに『みんなのSDGs 未来を変えるメッセージ』を

押し貸ししたら良かった。

 

次の文庫の日は、10月2日です。

(芝 直子)

「キャベツくん」 2021年9月4日 

今日のまゆーら 2021/09/05



いきなり延長になった夏休みも終わり、どうやら2学期。

せっちゃんとこも神戸に帰られたようで、本だけ戻っていた。

またいつか、本を借りに来てくれますように。

 

和子さんとおしゃべりした後で、絵本を引っ張り出す。

長新太作の『キャベツくん』だ。

この前、市民図書館で長新太さんの別の絵本を見て、

改めてすごい作者さんだと思ったのだ。

 

長新太ワールドというか、あの独特のナンセンス絵本の数々は

なんというか、常識にしがみついている自分がこれでもかと

ひっくり返される気がして、すごいと思うのだ。

 

文庫にもたくさんあるけれど、やっぱりダントツは『キャベツくん』。

おなかがすいたブタヤマさんに、「おまえをたべる」といわれて、

「ぼくをたべるとキャベツになるよ」

 

キャベツくん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鼻がキャベツになったブタヤマさんやら、胴体がキャベツのゴリラやら、

一人で本を広げてニタニタしてしまった。

何回読んでも、やっぱり面白い!

 

文庫のお客もなし、しみじみとキャベツくんの世界に浸って、今日は終了。

和子さんにはお話を一つ、『おおかみの眉毛』を聞いてもらった。

次回も楽しい絵本を読みたいな。

 

次の文庫の日は、9月18日です。

(芝 直子)

「11ぴきのねこどろんこ」 2021年8月21日 

今日のまゆーら 2021/08/22



10日近くも雨が続く、困った夏休み。

困ったのは雨だけでなく、ここにきてのコロナ感染急拡大。

 

そのために今日予定されていた、親子でのお習字教室は急遽中止になった。

楽しみにされていた親子さんも、きっと残念だろうけれど、仕方ないよね。

中止を知らずにおいでになった方もあったようだ。

 

はるかちゃんに初めての毛筆体験をと、来てくれたせっちゃん親子は

代わりに文庫でいっぱい遊んで行ってくれた。

夏休みの帰省中だから、多分今日が最後かな。

 

前回工作をやりたいと言っていたはるかちゃんに、準備していった工作キットで

風車や磁石のおもちゃを作って遊んでもらう。

 

しばらく工作教室はしていなかったので、道具が散逸していて、

手間取ってしまったが、何とか完成してよかった。

 

トランプやカードゲームも一杯やりたいと、あれこれやったけれど

時間切れで、最後に本を借りてくれた。

写真は弟のあきら君リクエストの絵本を、貸し出しの紙に、きれいにすらすら

書いてくれているはるかちゃん。

さすが年長さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そういえば、帰り際にあきら君が、一生懸命私に

「おばちゃん、おばあちゃん、おばさん・・・」と呼び掛けてくれて、

「誕生日、4」と言って、来週4歳になると教えてくれた。

 

おめでとう!

きっと次に会う時には見違えるほど大きくなっているに違いないわ。

 

『11ぴきのねこどろんこ』は、私がはるかちゃんと工作をしている時に、

あきら君が自分で選んで、ママに読んでもらっていた絵本。

ばばのぼる作の、ご存じ11ぴきのねこシリーズだ。

11ぴきのねこのどろんこ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの11ぴきのねこたちが、森の中で恐竜の子どもに出会って、

一緒にどろんこ遊びをしたり、とにかくハチャメチャで楽しい。

最後はこの恐竜がお母さんになっていてビックリする。

ついつい工作の手が止まり、はるかちゃんが絵本を気にするのも当然だ。

 

せっかくのお客様と和子さんに、お話も2つ聞いてもらった。

岐阜県の昔話「みそ買い橋」と、ロシアの「金色とさかのオンドリ」。

 

お習字はなかったけれど、目いっぱい文庫で遊んでくれて良かった。

またいつか、お里帰りしたら文庫にも寄ってね。バイバイ。

 

次の文庫の日は、9月4日です。

(芝 直子)

「とらよりつよいうさぎ」 2021年8月7日 

今日のまゆーら 2021/08/13



今日もうれしいことに、せっちゃんがお子さん二人と来てくれた。

お姉ちゃんのはるかちゃんと、3歳の弟あきら君。

 

来るなり「お話聞きたい」と言ってくれたので、

早速ろうそくをつけておはなしを二つ聞いてもらう。

新潟県の昔話「ねずみのすもう」と、ミャンマーの「ひなどりとねこ」だ。

 

ひなどりが、ネコに追われて壺の中に隠れたのに、

お母さんに「くしゃみがしたい」というシーンでは、

はるかちゃんの表情がクルクル変わって、楽しんでくれたようで何より。

初めてお話を聞くあきら君も、じっと聞いてくれて有難かった。

 

そのあと、カードゲームをしたり、本を読んだり、文庫らしい時間。

うれしいなあ。

写真はブンブンゴマを作って、上手に回すはるかちゃんだ。

さすが年長さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他にも作りたいと言ってくれたものがあるのだけれど、

何分準備が無くて、すぐにさせてあげられなかったのがつらい。

夏休みしか、和歌山に居られない子たちなので、

「また今度ね」と言えないのが悲しい。

次の文庫の日に、もし来てくれたら、何か作ろうね。

 

ところで小さいあきら君は、なかなかの本好きみたいで、

いつの間にかテーブルの上に『とらよりつよいうさぎ』が出ていた。

君島久子作の、ものすごい古い本だけれど、面白い本を見つけたようだ。

この本、今はきっと手に入らないかもしれない。

いつか、このお話を覚えて語ることが出来たらいいな、と思っている本だ。

とらよりつよいうさぎ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あきら君は他にも、『魔女の宅急便』を読んでくれとお母さんにリクエストしていた。

「長すぎるよ、絵本にしない?」と言いながら、

最初のページを一生懸命読んであげていたせっちゃんはえらい

他にも『かいけつゾロリ』を読んでもらっていたし、

きっと聞くことが好きなんだわ。

 

さて、来週は本堂で上田大愚センセイのお習字の会。

夏休み限定企画で、お子さんと一緒にお習字をするらしい。

ついでに文庫ものぞいてくれたらうれしいな。

 

次の文庫の日は、8月21日です。

(芝 直子)

「からすのそばやさん」 2021年7月31日 

今日のまゆーら 2021/08/02



「芝さん、えらいこっちゃで!」と、和子さん。

お電話で、「今日まゆーら文庫、開いてますか」という

お問い合わせがあったそうだ。

確かにそれは大ごとだ。

 

いつか誰かが来たいと思った時のために、と、まゆーらを開けているけれど、

実際のところ、文庫の時間に、文庫目当てでお客さんが来てくれたのは、

去年の12月が最後だったのだ。

わお、それは大変と、トランプや折り紙の用意をして、お迎えの準備。

 

お電話をしてまで、来てくださったのは、お母さんと3歳のあお君。

お母さんはずっと昔にまゆーらに来てくれていた方だった。

確か3きょうだいで…と、お話していてみんなのお名前も思い出した。

 

トイレトレーニング中のあお君は、海南の図書館に行くのが好きで、

今日も行ったけど、着いたら眠ってしまっていて、帰ってきたのだとか。

そしたら目が覚めてから、「図書館は?」とぐずられて、

お母さんがまゆーらを思い出してくれたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あお君がドールハウスで遊んでいるところへ、なんと2組目のお客さん。

マスクでわからなくて失礼したが、お里帰り中のせっちゃんが、

はるかちゃんを連れてきてくれたのだ。

 

以前会ったときは赤ちゃんだったはるかちゃんが、幼稚園の年長さん!

そりゃあ分からんわ、小学生みたいに背が高いし。

背が高いのはお母さんの遺伝だな、と、

背の高さで、マスク越しにせっちゃんだと気づいた言い訳。

 

積み木やドールハウスで楽しく遊んで、絵本もしっかり見て行ってくれた。

『鬼滅の刃』や『るろうに剣心』が好きだというあお君の、

最近のテーマは、剣の出てくる絵本らしい。

とっさに思いつかない。無い気がするなあ、ごめん。

 

はるかちゃんは『からすのそばやさん』を借りてくれた。

かこさとしさんが名作『からすのパンやさん』シリーズから40年後に

新しく出した本だ。

からすのそばやさん

 

 

 

 

 

 

 

 

『からすのパンやさん』に出てきた、りんごちゃん、れもんちゃんなどの

4きょうだいが大人になって、修行してそば屋さんを始める。

見開き一杯のパンの絵が素敵だった前作のように、この本でも

おいしそうな麺料理などがこれでもかと出てくる。

 

かこさとしさんは3年ほど前に亡くなられたが、なくなる少し前まで

たくさん新しい絵本を作られた。

 

さて、せっかく来てくれたお客さんなので、昔話を聞いてもらうことにした。

カーテンだけ閉めて、ろうそくを灯して、初めは『ねこの名前』。

はるかちゃんがしっかり聞いてくれて、「ねこの名前が、ねこって、へん」と

喜んでくれた。

ついでに、和歌山にも昔話はあります、と、お母さん方に『扇ノ芝のたぬき』。

 

ちなみに使ったろうそくは、夏をイメージして砂や貝殻を入れた手作りのもの。

中に見えるピンクの貝は、昔和子さんにもらった桜貝だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子どもさんが来てくれる文庫の日は、本当に楽しかった!

また来てね。

 

次の文庫の日は、8月7日です。

(芝 直子)

「たんたのたんてい」 2021年7月17日 

今日のまゆーら 2021/07/22



 

 

前回のこのページで、次の文庫の時には梅雨明けしてるといいな、と

書いたら、なんと本当に今日が梅雨明け発表。

それにしては毎日急に雨が降ってきて、慌てて洗濯物を入れているけれど。

 

境内でもセミの声が聞こえて、その中をお習字教室の方々が通られる。

始まる前に、早くいらした方が文庫をのぞいて行ってくれたそうだ。

子どもは来ないけど、大人のお客様があったという事だな。

 

そういえば和子さん情報によると、来月のお習字の会は、

お孫さんと一緒にお習字をしようという企画だとか。

そしたらだれか子どもさんがのぞきに来てくれるかしらん。

 

今日も文庫でたくさん本を読んだ。

面白かったのは『たんたのたんてい』。

中川李枝子作・・山脇百合子絵の、幼年童話の名作で、文庫には2冊もある。

たんたのたんてい

 

 

 

 

 

 

 

しばらく読んでなかったら、お話を忘れていて、楽しく読んだ。

お父さんの新聞を取りに出た、たんたが、新聞の代わりに次々に

おかしなものを見つけて、虫メガネ片手に新聞を追いかけて探偵をする。

そうか、こんなに登場人物が多かったっけ。

 

昔うちの子どもに読んだ時とは、また違う発見もあった。

絵本って、昔読んだ時の情景や、その時の空気まで思い起こさせてくれる。

本当に不思議にツールだと思わずにはいられない。

 

さあ、今日は和子さんがエネルギー切れでお疲れのようだったので、

おはなしはせずに帰る。

 

この頃お話の時に使うろうそくを手作りしていて、

夏らしく貝殻を閉じ込めた海のようなろうそくを作ってみた。

それをともして、今パソコン作業。

おはなしに使うろうそくがないわけではなく、うちに埃だらけになった

古い箱入りのろうそくがたくさんあったので、再利用です。

 

次の文庫の日は、7月31日です。

(芝 直子)

「空をとぶ小人たち」 2021年7月3日 

今日のまゆーら 2021/07/04



今日文庫で読んでいた本は、『空をとぶ小人たち』。

メアリー・ノートン作の、岩波少年文庫の1冊だ。

別の本を探していたのだけれど、これが目について、読みふけってしまった。

空をとぶ小人たち

 

 

 

 

 

 

 

 

ジブリのアニメ、『借りぐらしのアリエッティ』の元になったシリーズだ。

人目に触れないことを第一にして生きている、不思議な小人たち。

屋敷の床下、壁の中などで、人間そっくりの生活をしている小人たちが、

この本ではなんと、空を飛んでしまうのだ。

 

もちろん面白半分で飛ぶはずもなく、見世物用に捕まってしまった屋根裏から、

一冬かけて、手作りの気球で脱出する話だ。

 

読み始めたらぐんぐん引き込まれて、一気に読んでしまった。

この本でも、好奇心旺盛なアリエッティは健在で、

気球の作り方をお父さんにレクチャーする。

 

どんなに理解のある人間相手でも、たとえ小人用の家具まで全部

整えてくれていても、人間に知られて生活することは自分たちの生き方ではない、

そう言う両親との意見の違いも描かれる。

 

久しぶりにファンタジーの世界にどっぷりはまって、文庫の時間はおしまい。

おまけに和子さんにおはなし一つ、聞いてもらって失礼する。

 

今日は福島県の昔話で、『ねこの名前』。

もらってきた子猫に、強そうな名前を付けようと考える、じい様とばあ様。

ばあ様の言いなりに、次々名前を考えていったら、最後には…。

 

ばあ様の尻に敷かれているらしいじい様、

でもねこに名前を言い聞かせるのはじい様の役目で、

いちいちにゃーぉんと返事をするねこも可愛くて、楽しいお話だ。

 

夏休みも目前。次の文庫の頃には梅雨が明けてるといいな。

 

次の文庫の日は、7月17日です。

(芝 直子)

「やあ、ねこくん!」 2021年6月19日 

今日のまゆーら 2021/06/21



今日は梅雨本番の雨の中、上田大愚氏の浄土三部経奉納法要。

午後からは併せて作品展も開かれていて、境内をお客様が次々と通られる。

 

文庫からその様子を見ていて、せっかくの作品展を拝見に行こうかと思いつつ、

来るときに濡らしてしまった靴のせいで、はだしになったので、遠慮する。

 

文庫で本を読んでいたら、珍しくはるちゃんが入ってきてくれた。

午前の法要から来ていたらしい。

絵を描いたり、スマホの写真を消したり、こんなおばさんの側で遊んでいた。

中学2年生ともなると、スマホの扱いも神速だ。

 

ついでに数年前に撮ったお兄ちゃんとの2ショットを見せてくれた。

まあ、お兄ちゃんとそっくりで、どう見てもコピペして合成したみたいで、

二人で大爆笑してしまった。

 

今はこんなにきれいな女の子になって、似てなくて良かったね、

と言えばいいのかどうか。お兄ちゃん、ごめん。

久しぶりにはるちゃんとたっぷりおしゃべりして、楽しかったです。

 

今日、私が借りて帰ったのは、エズラ・ジャック・キーツの『やあ、ねこくん!』

キーツの本を探していて、ああ、これもキーツだったかと再発見した。

やあねこくん!

 

 

 

 

 

 

 

キーツの絵本でおなじみの、少年たちの生き生きとしていること。

本当に子どもらしくて、ピーターも、この本のアーチーも、大好きだ。

 

この『やあ、ねこくん!』は、友だちとの待ち合わせ場所へ

アイスクリームをかじりながら歩くアーチーが、たまたま見かけたネコに

「やあ、ねこくん!」と声をかけたばかりに始まる大騒ぎ。

 

この絵本に出てくるネコが自然でいい。

最近ネコの出てくるお話にはまっていて、絵本もネコ…・

 

さて写真は作品展に来た子どもさんたち。

お父さん、お母さんが作品を鑑賞中、ちょっと文庫に来てくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めはドールハウスや積み木を出して、静かに遊んでいたのに、

私がはるちゃん相手に『ネコの家に行った女の子』を語りだしたら、

どうも様子が違うと不安になったらしく、お姉ちゃんのお目目がウルウル。

 

ごめんね、怖いお話じゃないんだけれど、お母さんが恋しくなったのかも。

後で、泣かしてしまったと落ち込んでいたら、そんな事ないと思うで、と

はるちゃんが慰めてくれた。

せっかくのお客さんだったのに、申し訳ない。

 

次の文庫の日は、7月3日です。

(芝 直子)

「ベル・リア ~戦火の中の犬~」 2021年6月5日 

今日のまゆーら 2021/06/06



 

梅雨らしく、降ったり止んだりの境内で、ご住職が菜っ葉の収穫中。

和子さんがその菜っ葉を半分くださったので、有難く頂戴した。

 

「きのう、ワクチン2回目したんよ」と、和子さん。

なんだか調子が悪そうだ。

私も今週、2回目のコロナワクチンをしてから、発熱してダウンした。

高熱でもないのに、体の節々がひどく痛んで、動けなかったのだ。

二人でそんな話で盛り上がってしまった。

 

休んでた方がいいよ、と和子さんにすすめて、文庫で本を読む。

前回の文庫の日から読んでいる、『ベル・リア ~戦火の中の犬~』だ。

シーラ・バンフォード作のとても古い本。

第2次大戦中のフランスで、旅芸人一座の犬だった黒いテリアが、

撤収中のイギリス兵に救われ、その兵士と共に撃沈され、

最後にはイギリスにで、余生を過ごすまでの話だ。

ベル・リア

 

 

 

 

 

 

 

 

厳しい戦争の現実と、その中を生きようとする人々の姿や、

犬と関わり、変わっていく様子など、読みだしたらどんどん引き込まれる。

ユネスコライブラリー100でもらった本の1冊なので、数が多くて

きちんと読んでなかったのかも。

 

改めて読むと、すごく心に迫るいい本だ。

それとも昔読んだ時とは感じ方が変わったのかもしれない。

そんなことってあるなあ。

年月を重ねるのも悪くない。

 

さて、少し楽になったらしい和子さんが戻ってきて、

自分でカーテンを引いて、お話のリクエスト。

有難いので、ろうそくをつけて聞いてもらった。

 

今日のお話はアイルランドの昔話で、『ネコの家に行った女の子』。

とても喜んでくださるので、お話をするのが楽しい。

次回は何を聞いてもらおう。

 

いただいた菜っ葉は、帰ってピーナツ和えにしました。

おいしかったです。ごちそうさま。

 

次の文庫の日は、6月19日です。

(芝 直子)