いよいよ師走。
作品展から撤収してきたドールハウスを、文庫に戻す。
大事な『まゆーら』の看板も、『子どもの遊び』の絵も、
無事に定位置に戻ってきた。
なんと、作品展をご覧になったというお客様もお見えになった。
佐武さんとおっしゃる男性で、子どもたちに珍しいお土産をいただいた。
たくさんの種類の椎の実やドングリで、きちんと名前を書いて、
二つずつビニール袋に入っている。
珍しい栃の実もあって、こんなに大きい実だとは知らなかった。
栃の木って、『モチモチの木』のイメージだわ。
幼い頃の豆太が、栃餅の木と言えずに命名したもの。
絵本を読んで、栃餅っておいしいのかなあと、ずっと思っていた。
佐武さんによると、粉にして灰汁を抜いて、手間がかかるそうだ。
お習字の日ではないが、久しぶりにあお君も来てくれた。
それも、3ヵ月前に誕生した、妹のしずくちゃんも一緒に!!
こんなに寒いのに、連れてきてくれたママも大変だったろうに、
とてもかわいいしずくちゃんに会えて、本当にうれしい。
さて、にわかににぎやかになった文庫で、あお君に手伝ってもらって、
ドールハウスのミニチュアを元に戻す。
「これはここ」と、すらすら元の場所に戻していくあお君。
さすが、文庫でドールハウスを独り占めして遊んでいただけのことはある。
その中で、これはどこに置いたものかと、私が思案したのが、
写真の『枕草子』と、もう一つは『まりと殿様』。
作品展に出していたミニチュアの和本の中に、
上田大愚氏がいつのまにやら字を書きこんでいたのだ。
和本のサイズは縦2センチ。
まさか書けるとは思わなかった。
枕草子の方は、春はあけぼの、の一段。
まりと殿さまは、歌詞の一番を全部。
せっかく大先生が書いてくれたのだから、表題紙も頑張って作ってみたわ。
みんなに見せてから、置き場所を考えたけれど、
大事に引き出しにしまっておくより、やっぱり子どもが遊べるように、
ドールハウスの和室の違い棚に置くことにした。
でも帰りに写真を撮ろうとしたら、『まりと殿様』がどこかに紛れている。
またどこかから出てくるでしょう。上田先生、ごめんね。
次の文庫の日は、12月16日です。
(芝 直子)