「千一夜物語」 2020年8月30日 

今日のまゆーら 2020/08/30




 

 

本当なら夏休みも残りわずかで、宿題の追い込みの時期というのに、

今年はもうとっくに2学期が始まっていて、子どもたちは汗だくになりながら

マスクをして学校に通っている。

 

今年は本当に季節の行事もできなくて、

メリハリがないまま、月日が過ぎてしまった気がする。

気がつけばもうすぐ9月だ。

 

前回持ち込んだ和室のドールハウスも、秋バージョンに衣替えしてみた。

お月見団子に、ススキ。 座卓の上には月見うどんとサンマガ並ぶ。

ついでに床の間の花も、菊に替えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残念ながらお客がゼロで、それで遊んでくれる子どもはいなかったけれど、

和子さんがとても喜んでくださった。

「今年はサンマが高いんやって。」 食べられないサンマでごめんね。

 

さて、子どもたちが来たら折り紙でもしようと準備していた作品を

ドールハウスの横に置いて、あきらめて帰る。

作り方を孫に教えてもらった、鬼滅の刃バージョンのランドセルだ・

 

 

 

 

 

 

キャラクターのお決まりのデザインになっている。

ランドセルの中には、同じ模様のノートも入っている。

文庫にくる子たちはきっと喜んで作るかなあと思ったけれど、また次回に。

 

本棚の本を眺めていて、目についたのは古い『千一夜物語』。

元になった底本というものがなく、世界中で再話や補完がされて、

千一夜物語(アラビアン・ナイト)と言ってもいろんな種類がある。

 

 

 

 

 

 

 

文庫にあるのは、子ども向けにやさしく書かれたもので、

ちょっと物足りない気がするが、私は小さいころから千一夜物語が好きだった。

 

ランプの魔人や、空飛ぶ黒い木馬を想像しただけでワクワクする。

いつか自分で覚えられたら、千一夜物語を子どもたちに語ってみたい、

というのは夢だけれど。

 

次の文庫の日は、9月5日です。

(芝 直子)

「ぐりとぐらのえんそく」 2020年8月1日 

今日のまゆーら 2020/08/03

 

 

梅雨明けの発表があって、日差しが痛いほど。

お墓参りの花筒が熱い。

蛇口から出る水もお湯になっていて、しばらく出しっぱなさないと

新しいお花が供えられない。

 

暑い暑いと文庫に逃げ帰ったら、すぐに元気よく女の子たちが来てくれた。

ひなのちゃんと、妹のあやちゃん。

熱い中、遊びに来てくれてありがとう。

 

今日は、1か月半ほどかかって完成したドールハウスを運んできたので、

早速それで遊んでいた。

写真は前からある方のドールハウスで遊ぶ二人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回作ったのは手前に見える、6畳の和室だ。

床の間に違い棚、屋根も一部についたもので、結構大きくて

文庫の本棚に乗せたら、サイズぎりぎりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一応夏バージョンにしてるので、お花は花菖蒲だし、座卓の上はざるそば。

季節が移ったらそれなりの小物を作らなくては、というのも楽しみだ。

 

ただ一つうっかりしたなあと思うのは、和子さんのリクエストで作った、

上田大愚センセイの掛け軸で、著作権があるはずだ…。

 

作っているときは気が付かなかったというのも、申し訳ないことだった。

文庫のものにしか使ってないので、なにとぞご勘弁を…と

この場を借りてお詫びします。

 

ひなのちゃんやあやちゃんとカルタをしたり、カードゲームをして、

ワイワイ騒いで文庫の時間が過ぎる。

 

あやちゃんが本棚から出してきた、『ぐりとぐらのえんそく』を読んだり、

『めっきらもっきらどーんどん』の歌を歌ったり。

 

 

 

 

 

 

 

中川李枝子・山脇百合子コンビの『ぐりとぐらのえんそく』は、

何年たっても楽しい本。

くまさんの緑のチョッキの毛糸がほどけていて、巻きながら辿って追いつき、

最後は一緒にお昼ご飯を食べるというのも、いつものパターン。

 

そのお弁当がおいしそうなので、あやちゃんとちょっと感激した。

急にくまさんが加わっても、たっぷりあるのが、さすがはぐりとぐらだ。

 

それから文庫に昔からある、硬貨を入れるとガチャガチャとピエロが

踊りだすおもちゃで遊ぶ。

最近動いたり動かなかったりしていたので、10円玉を入れ、

首尾よく動いたら、ピエロと一緒に踊ってみる。

手足を振り回してピエロに合わせて踊ったら、へとへとになった。

 

さあ、疲れたから帰ろう。

次回は本当だったら8月15日になりますが、さすがにお盆なので

一回お休みして、29日に開きます。

 

次の文庫の日は、8月29日です。

(芝 直子)

「風と行く者」 2020年7月18日 

今日のまゆーら 2020/07/19

 

 

前回の文庫の日が大雨で、一回お休みにしてしまった。

それにしても雨ばかり。

今日は珍しく薄日が差すけれど、一か月ぶりの文庫はお客ゼロ。

 

と思っていたら、学童保育の仕事をしている私の知人が訪ねてきてくれた。

私が年度末に退職したので、もうお目にかかることはないかと思っていた。

忘れずに遊びに来てくれたらしい。

 

彼から最近の学童保育の事情を聞いたり、本の話をしたり。

前職が大学図書館の司書だった彼は、絵本の話もできる人だ。

 

先月海南市にオープンした図書施設ノビノスのことも知っていた。

私もこの頃よく行って、本を借りている。

まゆーら文庫も加わっている、紀北子どもの本連絡会の今年のテーマが、

『図書館でお宝探し』。

 

児童文学の、今まで読んだことのないお宝を見つけようという企画。

それでノビノスに足繁く通っているのだが、なかなか初めてのお宝は見つけにくく、つい自分の好きな作者に目が行ってしまう。

 

今回タイトルにした『風と行く者』も、そうやって見つけた本だ。

文庫でも大人気だった、上橋菜穂子の『守り人シリーズ』の最新作。

長いシリーズが完結したので、外伝が出たのに気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

いつもは文庫にある本を紹介しているこのブログだが、

今日は図書館の本でおススメ。

すごく面白くて、守り人シリーズの魅力を再発見したけれど、

これって新しいお宝を発見、とは言えないか。

 

さて写真は、ミニチュアの扇子。

今日から本堂で大人の書道講座を再開した、

上田大愚氏の恩徳讃の書を縮小コピーした和紙を使っている。

 

 

 

 

 

 

 

本物の書の額縁の上に乗せてみたけど、落っこちる…。

和子さんリクエストのミニチュアの和室も、もうすぐ完成する。

その和室に置くお茶道具や小物作りはこれからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな話をしていたら、彼が、将棋盤を作れという。

そういえば、将棋も詳しくて、強いのだ、

この前来たときはご住職のレア物のギターを弾いていたし、

趣味の広いヤツだわ。

 

次の文庫の日は、8月1日です。

(芝 直子)

「あかいかさ」 2020年6月20日 

今日のまゆーら 2020/06/21

 

 

今日の文庫はお客さんは無し。

文庫に座って、折り紙をしたり、和子さんとしゃべったり、

のんびり過ごす。

 

和子さんにお茶室の間取りを教えていただいた。

今度ドールハウスで小さい和室を作ろうとしているので、

和子さんリクエストのお茶室にしてみたいと思ったものの、ハードルが高い。

 

とにかく床の間付きの6畳間ということで、勘弁していただこうか。

床の間の掛け軸だけが決まっているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、折り紙で作っていたのは小さな傘。

小さいほうは普通の折り紙を8分の1に切って使っている。

柄になっているのはカラーのゼムクリップだ。

 

だれか来たら一緒に作ろうかと準備したものだけれど、

一人でせっせと作ってしまった。

傘の大量生産だわ。

昨日までの大雨がやんで、今日は梅雨の晴れ間なのに。

 

作り終わってから、本棚の中から傘の絵本を見つけた。

ロバート・ブライト作の小さい絵本、『あかいかさ』。

1975年に出版された、素敵な本だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

赤い傘を持って出かけた女の子が、急に降り出した雨に、

「いれて」ってやって来る子犬や子猫、ニワトリを傘の中に…。

でも入りたい動物たちが次々やってくる。

 

みーんな入れているうちに、おや、赤い傘がどんどん大きくなっていないか??

これって、ラチョフの『てぶくろ』を連想してしまうわ。

でも『てぶくろ』と違って、女の子の傘は、雨が上がってみんなが出ていくと

だんだん小さくなって、普通に家の傘立てに収まるのだ。

 

いいなあ、雨の中のちょっとした不思議な世界。

この梅雨の季節に、ぜひ読んでほしい絵本だ。

 

次の文庫の日は、7月4日です。

(芝 直子)

「ぼんやり山のぼんたろう」 2020年6月6日 

今日のまゆーら 2020/06/07

 

 

今日の文庫ははるちゃん一人。

二人でのんびり折り紙をしたり、前回頂いた工作用のハサミを点検したり。

 

ハサミは12本セットで、色んなギザギザ模様が切れるヤツ。

どんな模様になるのか、実際に切って試してみた。

結構繊細な模様ができるので、これを使ってどんな物が作れるか、

はるちゃんと考えたけれど、今のところ思い付かない。

可愛いカードかなあ。

 

 

 

 

 

 

 

それが済んで、はるちゃんが芸術的(?)な紙飛行機を作り始めたので、

私も負けじと、色違いの折り鶴を作ってみた。

一枚の折り紙で半分ずつ色違いになった鶴が3パターン完成。

 

はるちゃんの紙飛行機はよく飛ぶが、時々回転したり、切りもみ状態になったり。

「これに人が乗ってたら、何回も死んでるわ」と言うので、

二人で大笑いしてしまった。 それはアブナイ。

 

さて、はるちゃんが来るまでに、読んでいたのはこの本。

河童の絵で有名な清水崑さんの書いた児童書で、『ぼんやり山のぼんたろう』。

今の子どもたちは(かっぱ黄桜…)のお酒のCMなんて知らないか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぼんやり山で、おじいさんのぼんやり仙人と修行していたぼんたろうが、

修業の成果で見に付けた怪力と脚力で、それとは気付かぬうちに

追剥や人さらいをやっつけてしまうお話だ。

 

もちろん清水さんの絵もたっぷりで、絵本の要素もある。

なぜか甲羅に羽が生えた河童まで出てくる。

 

随分古い本で、その絵もカラーではないが、味のある楽しい本だ。

外れかけていたラベルを貼り替えていて見つけた本。

いつ買ったのか記憶にない程古くて、今では絶版らしい。

読みやすい愉快な本だから、読んでみて!

 

次の文庫の日は、6月20日です。

(芝 直子

「レタスをたべたのはだれ?」 2020年5月31日 

今日のまゆーら 2020/05/31

 

 

いよいよ来週からは学校が始まるそうだ。

しばらくは給食なしの分散登校とのことだけれど、良かったこと。

 

文庫も今日は女の子たちが4人も来てくれて、けっこうにぎやか。

前回来てくれたひなのちゃんが妹さんと来てくれたのを始めに、

ののかちゃん、それにはるちゃん。

 

プラバンを作り、スポットイットなどのカードゲームで盛り上がり、

本も借りてくれて、ホントに文庫らしい時間が過ぎる。

 

一緒になって騒いでいたら、ののかちゃんたちが帰ってから、

写真を撮らなかったのを思い出した。

 

仕方がないから、文庫の前の花壇にあったレタスを写してみる。

きれいに草引きもされて、手入れの跡が見える花壇の真ん中に、

なぜかレタスが二つ転がっていて、来た時から気になっていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はるちゃんに「なんでレタスを転がしているのか分かる?」と聞いたが、

「??? 要らないのかなあ」

 

帰りに今日ご住職が収穫したばかりのジャガイモのおすそ分けにあずかり、

和子さんのお言葉に甘えてたくさん紙袋に入れていただいてから、

ふと思い出して、レタスの訳を聞いてみた。

 

「なぜこんな所にレタスを置いてるのかと思って…。 何かのエサ?」

そう聞いたら和子さんが笑って、「ナメクジがついてるねぇ」と言いつつ、

なんと花壇の中に足を入れて、レタスの一つをグイと引く。

折れて転がるレタスと、外葉についたいくつものナメクジ!!

 

「…植えてたんだ!!」

周りに雑草も何も無いから、植わっているとは気付かなかった。

ご住職の菜園だったらしいのに、失礼な事を聞いてしまった。

 

「これもどうぞ」と和子さんに頂いてしまい、申し訳ない事をした。

因みにいくつも付いていたナメクジさんを、うちの玄関で払い落したら、

コツン、と音がして転がったではないか。

ナメクジではなくてカタツムリの塊だったらしい。

 

慌ててつまみあげて、玄関の植木鉢にそうっとリリースして、

家に入ってから思い出した絵本がある。

 

 

 

 

 

 

 

ジル・ムントン作の『レタスをたべたのはだれ?』。

ド派手な仕掛け絵本で、レタスを食べてしまった犯人捜しに

ページをめくるといろんな生き物が飛び出してくるのだ。

 

仕掛けがすご過ぎて、あちこち傷んだ本を持っている。

ヘビでもハチでもカエルでもなくて、ギラギラの足跡をつけた犯人は?!

 

でも、今回に限って言えば、レタスを食べたのは私です…。

 

次の文庫の日は、6月6日です。

(芝 直子)

「しっぽしっぽしっぽっぽ」 2020年5月16日 

今日のまゆーら 2020/05/17

 

 

緊急事態宣言が解除になって、近くのパチンコ屋さんには

明日から再会、の電飾が光っていた。

 

大雨で文庫はひっそりだけれど、

これからはだんだん普通の日が戻るかな。

お客は2年生のひめのちゃんと、中学生になったはるちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はるちゃんがトランプなどのカードゲームの相手をしてくれた。

ツルッツルの新しいテーブルは、トランプが貼りついてめくりにくいらしい。

 

神経衰弱に興じる二人を、記憶力に一切自信がない私は横から見物。

最近夕べのご飯も思い出せないと言ったら、二人に笑われた。

 

トランプが一段落して、借りる本を選び始めたひめのちゃんの側で、

私も絵本を見る。

 

木曽秀夫作の『しっぽしっぽしっぽっぽ』を発見。

ずっと前に、本堂で読み聞かせに使った事があるなあ。

ページを開くと、本物のゴムでできたネズミの長ーいしっぽが現れて、

めくると色んな場面で長いしっぽが活躍する。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕のしっぽが長かったら、あんな事やこんな事もできるのになあ…と

夢を膨らませるネズミだけれど、

やっぱりこのままがいいのかもしれないね。

 

2、3歳の小さい子にも大受けする絵本だ。

赤ちゃん絵本を卒業する頃にぴったりかもしれない。

そんな子が文庫にいないのは残念だわ。

 

雨が小降りになって、作った工作を手にひめのちゃんが駆けて帰って、

文庫も店じまい。

今度は境内で遊べるといいなあ。

 

次の文庫の日は、5月30日です。

(芝 直子)

「これは王国のかぎ」 2020年5月2日 

今日のまゆーら 2020/05/05

ドールハウスのお庭部分の修理が済んで、文庫に持って行く。
ついでにこの前に忘れていた、暖炉の中に焚き木を作りこむ。
それからお庭の赤いポストの位置を変えて、あちこち手直しする。

誰もお客の無い文庫で、好きなドールハウスの修理をしている時間。
こんな時もいいな。

気の済むまでドールハウスをいじってから、
テーブルの上の返却本を台帳と照らし合わせて、片付ける。
しばらくぶりに戻って来た本だ。

どっちも私が大好きなファンタジーの読み物で、
確か「ぜひ読んでみて」と、その方に押し売りした記憶がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一冊は萩原規子作の『これは王国のかぎ』。
中学生の普通の女の子が、誕生日に失恋して泣き疲れて眠ってしまい、
目が覚めたらなんとそこはチグリス川のほとり。

アラビアンナイトそのままの世界で、しかも自分は魔物で、
目の前にはわけありのイケメンが…。
これが面白くないわけがない。

魔物になった「私」に操られた木馬が王子を乗せて空を飛び、
囚われの美姫を間一髪で救い出す、という
クライマックスのシーンが文庫本の表紙になっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ、残念なことにまゆーら文庫にあるのは単行本の方で、表紙絵が違う。
文庫本でも中公文庫の物にだけ、その絵が付いているのだ。
うちにはお気に入りの絵のついた中公文庫のがあって、
時々読み返している。

誰かこの本、読んでくれないかなあ。
外に行けないこの時期に、きっとうってつけの本ですよ。

次の文庫の日は、5月16日です。
(芝 直子)

「おしいれのぼうけん」 2020年4月18日 

今日のまゆーら 2020/04/19

 

 

世の中、コロナの感染予報で、全ての会合も行事も自粛になりつつある。

まゆーらはどうしようかと藤浪さんがお電話をくれた。

もともと滅多に子どもが来ないし、開けて一人で座っていても害はなかろうと、

今日もいつものように開庫する。

 

そしたらののかちゃんが来てくれた。

マスクをしたののかちゃんと私と、二人でゆったり遊ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プラバンをしたり、粘土のパフェを乗せたマグネットを作ったり。

ちっちゃいマグネットに、一生懸命ボンドで飾りをつけているののかちゃん。

 

前回修理のために持って帰ったドールハウスの、

家部分だけがなんとか完成したので運び込んだら、

ののかちゃんが中に家具や小物を並べてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドールハウスは壁にゴリゴリとのこぎりで穴を開け、窓を増やした。

それと前から暖炉だけがあったので、この際煙突を作ってみた。

子どもたちが暖炉を部屋の真ん中に置いたりして、

なんだかけったいな具合だったし、それも壁際に固定する。

 

でも暖炉の中に焚き木を作るつもりだったのを忘れていた。

次回文庫で作りこむことにしよう。

 

学校が休校になっているのに、塾はあると言うののかちゃんが

アルコール消毒液を滴らせながら帰った後、

お寺に用事で来ていた文庫のOB、上田大愚氏が息子さんと一緒に寄ってくれた。

 

自粛が続いているお習字教室を、ネット配信する相談をしていたらしい。

なんでもかんでもネット配信で、私みたいに、頭からそんなのわからん、と

逃げ出してしまう人間には困った世の中になったものだ。

 

40年前からのお付き合いで、つい上田チャンと呼んでしまう彼も、

「平安時代とおんなじ、墨と筆で書いてる世界やから、苦手で」と言い、

「本気でやろうとして無いだけや」と、大学生の息子さんに言われている。

うーん、私も耳が痛いかも。

 

で、文庫に上がって来てくれた二人が、きれいになった本棚を見て

「この本読んだ」「懐かしい」と読んだ本の話に花が咲く。

 

「文庫で走り回ってた記憶ばかりあるけど、

こうして見ると結構読んでたんやなあ」と、上田チャン。

 

そうね、私もアナタが走り回っていた記憶しかないわ。

でも今懐かしいと言ってくれた本の数々は、

読書好きの子ならではのラインナップだ。

上田チャン、たくさん本を読んでくれてたのに気づいてなくてゴメン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のタイトルにした、古田足日作の『おしいれのぼうけん』は、

息子さんが懐かしがってくれた本。

低学年の頃に何回か来てくれたよね。

 

実は『おしいれのぼうけん』は私にとって、ちょっと苦手な本だ。

長く読み継がれている名作絵本ではあるけれど、

学童保育の仕事柄、言う事を聞かない子どもたちにどれだけ手を焼いても、

この本みたいに押し入れに閉じ込めるなんて、絶対に出来ないから。

 

ケンカして大暴れする子をなんとか捕まえて、汗だくで押さえていたら、

「放せよ、虐待や」などと叫ばれるので。

今の小学校では、暴れる子を廊下に閉めだす事すらダメだと言われた。

 

じゃあどうすればいいのかの正解が見つからないまま、3月末で退職。

いろいろあったあれやこれやから解放されて、

さあ好きな事をやれると思ったら、このコロナ騒ぎでアテが外れている次第。

 

もう少ししたら、『おしいれのぼうけん』も、違う視点で楽しめるかしら。

 

次の文庫の日は、5月2日です。

(芝 直子)

「アンガスとあひる」 2020年4月4日 

今日のまゆーら 2020/04/10

境内に溢れるほどにチューリップが咲き誇る。
本当だったら、今日は花祭りの日。
コロナウィルスのせいでイベント自粛せねば、と中止になったのだ。

文庫の花祭りにそんなに密集するほどのお客があるとも思えなかったけれど、
この際やむを得ず…。

外出自粛のせいか、単に最近の流れか、ともかく今日来てくれたのは
はるちゃんと、お友だちのひらりちゃんだけ。

花祭りサイダーならぬ、普通の缶サイダーを飲んで、
ここから自転車でどこかへ行く所らしい。
気をつけて行って来てね。

さて、先月ようやく文庫の蔵書点検が終わったので、
今日は誰もいないのをいいことに、台帳を集計してみた。
その結果…。

今現在文庫の書架に並んでいるのは、
絵本955冊
物語の本687冊
知識の本172冊 合計1814冊だった。

でも見当たらなかった本の中に、
ああ、この本あのお母さんが借りてった、とか、
たしかあの子がこの絵本、借りてったなどと心当たりのある本が20冊くらい。

挙句の果てに、ゲッ、この本確か私が持ち出した!と気づいて、
帰って見たらうちにある本まで数冊。
だから多分所在の分かっている本が、後20~30と見て、1850冊位か。
まあ、戻って来ないのもあるかもしれないので、それはそれとして。

去年伊藤忠の受賞に合わせて台帳をチェックして、
蔵書数は約2000冊です、と言ったけれど、目減りしてたわ。
とりあえず1820冊と言っておこう。

さあ、きれいになった絵本の本棚を見ていて、
どうしてもきれいには出来なかったなあと手に取った絵本。
マージョリー・フラッグの『アンガスとあひる』などだ。

 

 

 

 

 

 

もともとカバーの付いていない本たちは、一皮むいてきれいに、とは
ならないし、発行が4、50年前で、傷んでしまっている。

でも知りたがり屋の子犬『アンガス』のシリーズなどは見た目が地味だけれど、
じっくり読むと生き生きした子犬が楽しくて、本当にいい本だ。
瀬田貞二さんの訳が素晴らしいし、膝の子どもと一緒に読みたいと思う本。

私は『アンガスとねこ』も好き。
でも今回見つけられなかった。
案外うちに取りこんでたらどうしよう!!

次の文庫の日は、4月18日です。
(芝 直子)